神路山

神路山（かみじやま）とは

神路山は、三重県伊勢市宇治地区に位置する山域の総称であり、伊勢神宮の内宮（皇大神宮）の南側を流れる五十鈴川上流域に広がっています。東側では、五十鈴川の支流である島路川流域の島路山と稜線を共有し、これらの山林は伊勢神宮の神宮林として一体的に管理されています。

神路山には、宇治今在家町大字高麗広（こうらいびろ）という地区があり、民家や農地が点在しています。山域の西から南にかけては、鼓ヶ岳、前山、鷲峰（しゅうれい）、竜ヶ峠と連なり、南から東にかけては、八禰宜（はねぎ）山、剣峠、逢坂峠へと続いています。これらの山々を結ぶ稜線は、内宮を取り囲むように約25kmにわたり、五十鈴川と島路川を隔てています。神路山は、島路山と同様に、特定の山頂を指す名称ではなく、山域全体を指す言葉として使われています。

峠道

竜ヶ峠は、伊勢市矢持町から高麗広へと通じる山道に位置する峠です。かつては人々の往来がありましたが、自動車の普及により徒歩での通行が困難になったため、現在はほとんど廃道となっています。一方、剣峠は三重県道12号伊勢南勢線に位置する峠で、大型車両の通行は禁止されています。

動植物

神路山と島路山には、シカをはじめとする様々な動物が生息しており、これらの動物が県道12号伊勢南勢線に現れることもあります。豊かな自然が残されている証拠と言えるでしょう。

御杣山（みそまやま）としての歴史

神路山は、かつては他の神宮林と同様に、神宮式年遷宮に用いるヒノキを調達する御杣山でした。しかし、これらの森林のヒノキが枯渇したため、御杣山は時代とともに変遷し、江戸時代以降は木曽や美濃の森林が御杣山となっています。神宮では、大正時代末期から神宮林でのヒノキの植林を進めていますが、間伐材を除けば、遷宮に使えるようになるのは2125年以降と見込まれています。

学術的に貴重な針広混交林

神路山では、ヒノキの人工林だけでなく、広葉樹も保護されており、学術的に貴重な針広混交林として知られています。この森林は、多様な樹種が混在することで、豊かな生態系を維持しています。

関連事項

• - 伊勢神宮
• - 朝熊山
• - 島路山
• - 京路山

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