禁じられた情事の森

『禁じられた情事の森』(1967年)は、ジョン・ヒューストン監督によるアメリカ映画です。カーソン・マッカラーズの小説『黄金の眼に映るもの』(1941年)を原作とし、同性愛や両性愛といった抑圧された性、覗き行為、殺人など、現代においても重く響くテーマを扱った作品として知られています。

マーロン・ブランドとエリザベス・テイラーという、ハリウッドを代表する二大スターの共演も話題を呼びました。当初、クローゼット・ゲイであるペンダーソン少佐役にはモンゴメリー・クリフトがキャスティングされていましたが、彼の急逝により、ブランドが代役を務めることとなりました。脚本には、後に『ゴッドファーザー』シリーズで知られるフランシス・フォード・コッポラがクレジットなしで参加したと言われています。

物語の舞台は1940年代の陸軍基地。冷え切った夫婦関係にあるウェルドン・ペンダーソン少佐(ブランド)とレオノラ(テイラー)は、それぞれに抱える秘密と葛藤を抱えています。ペンダーソン少佐はゲイであることを隠しており、その事実が彼の閉塞的な感情に拍車をかけています。一方、レオノラは隣家のモリス・ラングドン大佐(ブライアン・キース)と不倫関係にあり、満たされない愛情を周囲に求めています。

ラングドン大佐の妻アリソン(ジュリー・ハリス)は3年前から精神的に不安定な状態にあり、フィリピン人の召使いと共に自室に引きこもっています。さらに、ペンダーソン少佐は若いウィリアムズ一等兵(ロバート・フォスター)に惹かれる一方、ウィリアムズ一等兵はレオノラに惹かれ、毎晩彼女の部屋を訪れるという複雑な人間関係が展開されます。

登場人物たちの抑圧された感情、禁断の恋、そして予期せぬ出来事が複雑に絡み合い、物語は衝撃的な結末へと進んでいきます。原作小説の持つ重厚なテーマを、ヒューストン監督独特の演出で表現した本作は、人間の心の闇と、その奥底に潜む欲望を深くえぐり出す、観る者に強い印象を残す作品となっています。

批評家の評価も高く、Rotten Tomatoesでは22件のレビューのうち12件が高評価(55%)、平均点は6.6点。Metacriticでは10件のレビューのうち5件が高評価、賛否両論4件、低評価1件で平均点は67点と、概ね高い評価を得ています。豪華なキャスト、重厚なテーマ、そして衝撃的な展開が織りなす、忘れられないドラマをぜひご堪能ください。

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