福井県の映画祭

福井県では、過去から現在に至るまで、地域の映像文化振興に貢献する様々な映画祭が開催されてきました。ここでは、代表的な映画祭の歴史と特徴を紹介します。

ふくい街かど映画祭

「ふくい街かど映画祭」は、1997年に始まり、2000年まで継続して開催されました。「福井街かど映画祭」や「福井街角映画祭」といった表記も見られます。初回の1997年3月以降、1998年3月、1999年3月と主に春先に開催されましたが、2000年は6月に「ふくい街かど映画祭2000」として開催されました。

一度終了した後、5年後の2005年に「第20回国民文化祭ふくい2005」の一環である映像文化フェスティバルの一つとして、再び開催されました（2005年10月）。これは、短期間ながらも地域の映画ファンに親しまれたこのイベントが、改めて注目された機会と言えます。

福井インディーズ映画祭

2000年から2003年にかけて開催された「福井インディーズ映画祭」は、自主制作映画に特化したユニークな映画祭でした。

この映画祭は、「応募作品すべてを上映する」という画期的なポリシーを掲げ、2000年9月の第1回開催「福井インディーズ映画祭2000」から始まりました。2001年には3月、4月、8月、9月と複数回開催され、中でも8月と12月～翌年3月にかけては観客審査が行われるなど、観客参加型の企画も実施されました。最終回は2003年7月に行われ、「福井インディーズ映画祭【最終回】」と銘打たれました。3年間の開催期間中に合計252作品もの自主制作映画を上映した実績は、当時のインディペンデント映画界で大きな注目を集めました。

また、映画祭の枠を超えた特別上映も実施されました。2002年3月には『山本浩司に気をつけろ！』が3日間にわたり上映されました。さらに、映画祭終了から数年を経た2005年5月には、『福井青春物語』の完成を記念した特別上映会が3日間にわたり開催され、延べ1,252人が来場するなど、その影響力の大きさが示されました。

福井映画祭

「福井映画祭」は、福井映画祭実行委員会が主催し、2006年から福井県鯖江市にある鯖江市文化センターを主な会場として開催されている映画祭です。

第1回「福井映画祭2006」が2006年11月23日に開催されて以降、概ね毎年秋から冬にかけて継続して開催されています。回を重ねるごとにプログラムも充実し、例えば第5回（2010年11月20日～21日開催）では全18作品が上映され、田中光敏監督が特別審査員を務めました。

東日本大震災を受けて、2011年12月と2012年1月には「キズナ映像フェスティバル」と題し、「絆」をテーマにした映画の上映会も企画されました。本祭としては、第6回（2011年12月）、第7回（2012年12月）、第8回（2013年11月～12月）、第9回（2015年2月～3月）、第10回（2016年2月）と続いており、地域の映画文化の拠点として定着しています。

福井まちなか映像フェス

「福井まちなか映像フェス」は、福井市中心部にある福井まちなか文化施設 響のホールにて、2007年から開催されている映像イベントです。

当初は「福井まちなか映画祭」という名称で始まりました。第1回（2007年11月2日開催）では、福井県ゆかりのテーマとしてソースカツ丼に焦点を当てた作品が上映されました。第2回（2008年11月2日開催）はショートムービーフェスティバルとして開催され、響のホールが映っていることを条件にテーマは自由とするなど、地域性や会場との関連性を重視した企画が見られます。

その後も「福井まちなか映画祭」として2009年（第3回）、2010年（第4回）、2011年（第5回）、2012年（第6回）、2013年（第7回）と毎年秋に開催されました。第7回では、10団体による12作品の上映に加え、津田寛治監督の作品『カタラズのまちで』が特別上映されました。

2014年（第8回、10月26日開催）をもって、名称を「福井まちなか映像フェス」と改めました。このイベントには、福井大学附属中学校放送部、北陸高校放送部、藤島高校放送部などの県内中学校・高校の放送部や、福井大学映画部、仁愛大学モ−ショングラフィックス、仁愛女子短期大学といった大学、さらにはDEGIKEN、HOUND PROJECT、Faith tribe、Poe Entertainmentなどの社会人団体も主な出品団体として参加しており、学生から社会人まで幅広い層の映像表現の発表の場となっています。なお、2015年には開催が見送られています。

これらの映画祭は、それぞれの特色を持ちながら、福井県における映像作品の制作・発表の機会を提供し、地域住民が映画文化に触れる貴重な場として機能しています。

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