福地城

福地城（ふくちじょう）

福地城は、三重県伊賀市柘植に位置する丘城（城館）です。

概要

福地城は、平清盛の末裔を称する福地氏によって築かれました。福地氏は、日置氏、北村氏と共に「柘植三方」と呼ばれる有力な国人勢力の一角を担っていました。福地氏の祈願寺は長福寺（現在の万寿寺と推定）であり、本尊である地蔵菩薩像の内部から発見された南北朝時代の文書には「ふくちの御てら」という記述が見られます。この文書には、やなきという女性から「ふくちの御てらの了賢房」に宛てた手紙が含まれており、了賢房とやなきは福地氏の一族であると考えられています。

福地氏は、正長2年（1429年）には室町幕府から関氏討伐を命じられるなど、この頃には既に柘植地域を代表する国人として成長していたことが分かります。天正9年（1581年）の天正伊賀の乱では、福地宗隆が織田信雄に味方し勢力を拡大しましたが、天正10年（1582年）の本能寺の変後、伊賀衆の残党によって裏切り者として攻められ、国外へ逃亡しました。菊岡如幻の『伊水温故』によれば、福地氏の戦国時代の所領は約1000石であったとされています。

構造

福地城は、丘陵頂上の城郭と丘陵裾の城郭に大きく分けられます。丘陵頂上の城郭は詰城、丘陵裾の城郭は居館であったと推定されています。大手門には石垣が用いられ、礎石の遺構から門扉が存在していたことが確認できます。大手門の両側には高さ3.5〜4.8メートルの土塁があり、櫓の遺構と考えられています。丘陵頂上には11以上の郭が同心円状に配置されているのが確認できます。

現在、城跡は芭蕉公園として整備されており、「伊賀の小屋組みの家」という懐石料理店が営業しています。

その他

福地城跡からは様々な出土品が発見されています。

外部リンク

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