福寿寺 (多治見市)

福壽寺（ふくじゅじ）

岐阜県多治見市山下町に位置する福壽寺は、曹洞宗の寺院であり、萬年山を山号としています。この寺院の歴史は、寛文年間にまで遡ります。開元院の十二世である嶺外秀存によって、当初は日吉村半原の地に開創されました。

歴史

福壽寺の創建は寛文年間、開元院十二世の嶺外秀存によって日吉村半原に開かれました。しかし、明治時代に入ると、廃仏毀釈の波が押し寄せ、檀信徒が神道に改宗するなど、寺の存続が困難な状況に陥りました。この危機に際し、開元院の大蔵満盛は永泉寺の大應玄道と協力し、寺を現在地に移転させる決断をしました。そして、大應玄道がその跡を継ぎました。

その後、明治6年（1873年）には、名古屋市熱田区にある福重寺の八尾泰能が復旧に尽力し、現在の場所へと移転しました。この移転を経て、福壽寺は今日に至るまで、地域の人々に親しまれています。

本尊とその他の仏像

本尊の他に、脇壇には薬師如来が安置されています。この薬師如来像は、元々方丈の念持仏でしたが、縁あって中部四十九薬師霊場に指定され、一般の参拝者にも開放されるようになりました。また、傍らには珍しい坐像の荼枳尼天も祀られています。

さらに、脇間には弘法大師像が祀られており、これは俗に東濃三大師の一つとして知られています。これらの仏像は、福壽寺の歴史と信仰の深さを物語っており、多くの参拝者にとって心の拠り所となっています。

参考文献

『多治見市史　通史編　上』　第三編　近世　第七章　宗教と寺社　第三節　寺院　(六)近世に開かれた寺院　p764　多治見市　1980年
『中部四十九薬師霊場巡礼』　中部四十九薬師霊場会　冨永航平　朱鷺書房　p158～p161　1999年

福壽寺は、その長い歴史の中で、多くの困難を乗り越え、今日まで地域の人々の心の支えとなってきました。訪れる人々は、その静かで落ち着いた雰囲気の中で、心の安らぎを得ることができるでしょう。

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