福居純

福居純（ふくいあつし）について

福居純（ふくいあつし）は、1938年9月5日に愛媛県で生まれた日本の哲学者であり、一橋大学名誉教授です。また、旧・東京都立大学名誉教授としても知られており、哲学界での業績が高く評価されています。彼は特にデカルトやスピノザの研究で知られ、大学教員としてのキャリアを積んできました。

学歴と学問的背景

福居氏は愛媛県立大洲高等学校を卒業後、1962年に東京大学教養学部のフランス科を卒業しました。そして、1964年には同大学の大学院に進学し、比較文学・比較文化の修士課程を修了。その後、1967年には博士課程の単位を取得し満期退学しました。この間、日本学術振興会から奨励研究員としての機会を与えられ、学問を深めることに努めました。

教職と受賞歴

1968年に一橋大学法学部の専任講師として教職を開始し、1971年には助教授に就任しました。1981年には教授となり、1982年には山崎賞を受賞しました。1991年には東京都立大学人文学部教授に転任し、1998年に「デカルト研究」により大阪市立大学から文学博士の学位を取得しました。2001年には富士常葉大学流通経済学部の教授に就任し、さらに2003年から立正大学文学部に移りました。2009年には定年退任を迎え、その後も教育活動や研究を続けています。

福居氏は、2018年の春の叙勲で瑞宝中綬章を受章するなど、学問と教育に対する貢献が広く認められています。

研究分野

福居純の研究は、主にデカルトとスピノザの哲学に焦点を当てています。彼はこの二人の思想家の業績を深く掘り下げ、さまざまな視点から分析を行っています。

主な著書

福居氏の著作には、以下のようなものがあります：

• - 『デカルト研究』創文社（1997年）
• - 『スピノザ『エチカ』の研究 読解入門』知泉書館（2002年）
• - 『デカルトの「観念」論 読解入門』知泉書館（2005年）
• - 『スピノザ「共通概念」試論』知泉書館（2010年）
• - 『デカルトの誤謬論と自由』知泉書館（2014年）

また、翻訳書も多数手掛けており、特に以下の著作が挙げられます：

• - ジュヌヴィエーヴ・ロディスールイス『デカルトと合理主義』（白水社、1967年）
• - シモーヌ・ヴェーユ『科学について』（みすず書房、1976年）

彼の研究は哲学の理解を深めるための貴重な資料となっており、後進の学者や学生たちに多大な影響を与えています。福居氏の学問に対する熱意と探求心は、現在も多くの人に刺激を与え続けています。

参考文献

• - J-GLOBAL
• - 石垣壽郎「福居純先生を送る」 - CiNii

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