福山敏男

福山 敏男（ふくやま としお）

福山敏男は1905年4月1日に生まれ、1995年5月20日に亡くなった日本の建築史家です。彼は特に京都大学の名誉教授として知られ、日本の建築学の基礎を築くことに貢献しました。福山は福岡県山門郡城内村（現在の柳川市）で生まれ、学問の道を歩むことを選びました。

学歴と経歴

彼は第五高等学校を経て、1927年には京都帝国大学工学部建築学科を卒業しました。その後、内務省造神宮使庁で嘱託として勤務し、1939年には京都帝国大学から工学博士の学位を取得しました。1942年から1943年にかけては文部技師として宗教局及び教化局で働き、その後、教学局文化課に転属されました。

戦後の1947年には東京国立博物館附属美術研究所に勤務し、1951年にはそこにおいて資料部長に就任します。1954年に美術部長となり、1959年には京都大学の教授に就任しました。定年退官後は、西日本工業大学にて教授職を務め、1981年には京都府埋蔵文化財調査研究センターの理事長を務めました。1988年に名誉教授の称号を受け、長い学問のキャリアを果たしました。

研究分野と業績

福山の研究対象には、日本建築史が含まれ、出雲大社や大阪四天王寺、九州観世音寺などの調査を通じて日本の古代建築の事情や構造を解明しました。彼の業績は、日本の建築史学の基礎を作り上げるものであり、特に金石文の研究でも知られています。奈良県天理市にある石上神宮に納められた七支刀の銘文解釈も彼の重要な業績の一つです。福山の厳密な姿勢から、学界では「検事総長」と評されることもありました。

受賞歴

彼の活動は多くの評価を受け、1972年に朝日賞を、1975年には勲三等旭日中綬章を授与されました。1980年には日本建築学会大賞、1987年には日本学士院恩賜賞や京都府文化賞特別功労賞も受けています。さらに、1991年には日本学士院の会員、1995年には正四位に叙されました。

主な著作

福山は多くの著作を残し、彼の研究成果や考察は、以下のような著書にまとめられています。

• - 『日本建築史の研究』（1943年、桑名文星堂）
• - 『日本建築史研究』（1968年-1971年、墨水書房）
• - 『寺院建築の研究』(福山敏男著作集1-3, 1982年-1983年、中央公論美術出版)
• - 『神社建築の研究』（福山敏男著作集4, 1984年、中央公論美術出版）
• - 『住宅建築の研究』（福山敏男著作集5, 1984年、中央公論美術出版）
• - 『中国建築と金石文の研究』（福山敏男著作集6, 1983年、中央公論美術出版）

これらの著作は日本の建築史の研究を深めるために、今なお重要な参考文献とされています。福山敏男の業績は、後世の建築史学の発展に大きな影響を与え続けています。

もう一度検索