福岡コミュニティ放送

福岡コミュニティ放送株式会社の概略

福岡コミュニティ放送株式会社、愛称「StyleFM」は、福岡県福岡市の特定地域を対象にFM放送を行っていました。特に女性や地域の活性化を重視したコミュニティ放送局として、福岡市の百道浜を拠点に様々な活動を展開していました。一般放送事業者として始まったこの局は、地方の防犯や防災にも寄与し、リスナーに寄り添った放送内容が特徴でした。リスナーはラジオだけでなく、インターネットや携帯電話を通じても情報を収集できる体制が整えられていました。

設立と初期の運営

この放送局は、天神エフエムに次ぐ福岡市の第二のコミュニティ放送局として、2000年に設立されました。設立のきっかけは、株式会社玄南荘の代表取締役である渕上高当の意向により、「地域に根差した市民本位の放送局を目指す」との理念のもと、「FM MiMi」という名称での放送がスタートしました。しかし、後に様々な事情から、開局当初から経営困難に直面します。

初代のプロデューサーは深町健二郎氏で、その後伊藤博、加藤陽介が引き継いでいきましたが、経営が深刻な状況に陥った結果、2005年には赤字が累積8000万円に達します。

経営の交代とその影響

経営を維持することが不可能になった渕上は、同年10月に株式の約60%を「夢大陸」という投資コンサルタント会社に売却し、経営権が移譲。その後、「StyleFM」として新たにスタートを切ることになりますが、この際、多くの番組が打ち切られ、パーソナリティもほとんど契約を解除される結果となりました。

特に、不意に番組が終了することもありました。その一方で、夢大陸の代表原千春は自身の番組を立ち上げ、局の方針は大きく変化しました。スタイルが変わっていく中でのリスナーの反応も様々でした。

金融商品取引法違反と放送の停止

2010年には、夢大陸が金融商品取引法の違反容疑で捜索を受け、福岡コミュニティ放送もその影響を受けます。この事件の結果、StyleFMでは金融情報を扱っていた番組が放送法に抵触する恐れがあるとされ、結果として多くの生放送番組が打ち切られました。最終的には暇な音楽番組が中心の放送になり、2010年10月31日に音源を中断、実質的な閉局を迎えることになります。

意外な閉局の経緯

コミュニティ放送局の免許は5年ごとに更新されますが、StyleFMは2010年7月31日までに再免許申請を行なわず、10月31日に放送が終了しました。公式サイトや番組内では閉局の告知を行わないまま、急に放送が終了してしまいました。この日、フィラー番組を放送中に突如として停波し、以後、公式な発表はなされていません。

放送局閉鎖後の動向

2011年には新たに代表者が逮捕されるなどの事件が相次ぎ、法人としての動きも見られない中、福岡コミュニティ放送は閉局の歴史を終えました。その後、法人番号が付与される運命を辿りましたが、現状では再生とは程遠い状況にあります。

福岡コミュニティ放送株式会社は、その短い歴史の中で地域密着型の放送を実現し、多くのリスナーに親しまれた存在でしたが、経営や法的な課題から幕を閉じることとなりました。

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