停波

停波（ていは）とは

停波とは、電波の送信を停止することを指します。特に、常時電波を発信している無線局、例えば放送局や携帯電話・PHSの基地局などが電波の送信を止める状態を指します。

放送局における停波

放送局における「停波」は、主に放送中に予期せず発生する電波の送信停止、つまり放送事故を意味するものとして使われます。設備の保守点検など、計画的に行われる一時的な送信停止は「放送休止」と呼ばれ、停波とは区別されます。

停波時の受信状態

停波時の受信機の出力は、電波の形式によって異なります。ただし、多くのラジオやテレビにはミューティング機能が搭載されており、無信号時には音声出力を無音に、映像出力を単色無地画面（多くはブルーバック）に自動的に切り替えます。そのため、以下のような状態を直接視聴することは少ないでしょう。

ラジオ

AM放送（振幅変調方式）：空電雑音が出力されます。
FM放送（周波数変調方式）：「ザー」というノイズが流れます。

これは、ラジオの周波数を放送がないところに合わせたときと同じ状態です。インターネット[[ラジオ]]（radikoなど）の場合は、通常は無音になりますが、一部の局ではノイズ音をそのまま配信する場合もあります。

テレビ

地上アナログ放送：FMラジオと同様に「ザー」というノイズ音が出力されるとともに、画面には「砂嵐」と呼ばれるランダムなノイズが表示されます。これは、同期信号が失われ、通常の走査が行われないために発生します。
デジタル放送：停波時に「ザー」というノイズや砂嵐は表示されず、「受信できません」などのエラーメッセージが表示されます。カラーバーやテストパターンが表示される場合は、電波は停止していません。また、デジタル放送受信機で「このチャンネルは現在休止中です」や「信号レベルが低下しています」などのメッセージが表示される場合も、放送局が試験電波を送信している状態です。

その他の無線局における停波

携帯電話やPHSの基地局では、設備の保守などのために一時的に送信を停止することがあり、これも「停波」と呼ばれます。一方、業務無線（警察無線、消防無線など）やアマチュア無線のように、必要な時だけ通信を行う無線局が一時的に運用していない状態は、通常は停波とは呼ばれません。

運用廃止による電波の停止

無線局の運用を廃止（閉局・廃局）する際、電波を永久に停止させることも「停波」と呼びます。また、上記のように「必要な時にだけ通信を行う無線局」が運用を終了した場合も、停波と呼ぶことがあります。

日本における廃止による停波の例

標準周波数局
短波JJY：短波帯で放送されていた標準[[電波]]が、長波帯へ移行したことにより、2001年3月31日に送信を停止しました。
放送局

移動体通信の無線局

このように、停波は様々な状況で発生し、その状態も電波の種類や受信機によって異なります。

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