福岡モスク

アン ヌール イスラム文化センター 福岡マスジド

アン ヌール イスラム文化センター（Fukuoka Masjid Al Nour Islamic Culture Center）は、福岡県福岡市東区箱崎に位置するイスラム教のモスクです。このモスクは2009年4月12日に開堂し、九州地方における初めてのモスクとして、その歴史が始まりました。「マスジド」とはアラビア語でモスクを意味し、「アン・ヌール」はイスラム教の象徴である「光」を指します。

モスクの特徴

このモスクは、鉄筋コンクリート造の地上3階、地下1階建てで、高さ9.5メートルのドームと、18メートルのミナレットを備えています。福岡県内には、約1,000人のイスラム教徒がおり、西洋文化圏の中で宗教的な拠り所を必要としています。このモスクは、礼拝の場所としてだけでなく、地域の人々の交流や学びの場としても機能しています。

現在は専任のイマームがいないため、説法は信者が持ち回りで行っています。礼拝の呼びかけであるアザーンはアラビア語で行われますが、説法では英語が使われています。モスクを利用する信者のほとんどは、インドネシアやバングラデシュ、さらには他の東南アジア諸国出身者であり、中東出身者はそれほど多くありません。

歴史的背景

福岡モスクの設立には、九州大学の留学生が中心となった「九州大学ムスリム学生会」が関わりました。彼らは1998年に「福岡イスラミックセンター」を作り、寄付を募り始めました。福岡県内のムスリムだけでなく、他地域でもザカート（寄付）を集め、特にアラブ首長国連邦から資金を調達することに成功しました。2005年には土地を取得し、2008年に建設が始まりました。

地域住民との対話が進む中、彼らは様々なイベントを通じてイスラム教の理解を広める努力をしました。この努力が実を結び、2008年に建設が許可され、2009年に開堂しました。

館内の構成

モスクの構造は地下1階から3階まであります。地下1階には、イスラム教に関連する書籍を集めた図書館が設けられており、一般の人々も見学や利用が可能です。また、多目的ホールがあり、主に男性の利用者が訪れます。

1階は男性の礼拝所、2階は女性の礼拝所となっており、内部はシンプルで自然光が豊かに入る設計になっています。礼拝に必要なミフラーブやミンバルも用意されています。これは、東京や神戸のモスクを参考にし、異国情緒豊かな空間に仕上げられています。

さらに、3階にはキッチンが付いた多目的ホールがあり、女性信者たちが主に利用します。このスペースでは、子ども向けの集会や地域住民への料理教室なども開催されています。

アクセス情報

この文化センターは、福岡市東区箱崎3丁目2番18号に位置しており、九州大学の箱崎キャンパス跡地の近くにあります。周囲は住宅地が広がっており、アクセスも良好です。JR九州の鹿児島本線箱崎駅からも徒歩3分の距離にあり、目印は「緑のドームに月の塔」です。

このように、アン ヌール イスラム文化センターは地域に根差した重要なリソースとして、信者にとってだけでなく、地域社会全体にとっても意義深い場所となっています。

もう一度検索