福岡市地下鉄箱崎線

箱崎線とは

箱崎線（はこざきせん）は、福岡県福岡市博多区の中洲川端駅から東区の貝塚駅までを結ぶ、福岡市交通局が運営する地下鉄の路線です。この路線は「福岡市交通事業の設置等に関する条例」に基づく2号線と呼ばれています。また、ラインカラーは青で路線記号は○Hです。

概要

箱崎線は中洲川端駅から出発し、カーブする空港線と分岐します。明治通りの直下を北に進み、福岡県庁や九州大学病院、筥崎宮の近くを通ります。この路線は、九州大学の旧・箱崎キャンパスを横断した後、西日本鉄道の貝塚線（旧・宮地岳線）の始発駅である貝塚駅に到達します。全長は4.7キロメートルであり、日本の地下鉄で見ても名古屋市営地下鉄の上飯田線（0.8キロメートル）に次いで短いです。

西鉄貝塚線との直通運転構想

箱崎線は貝塚駅で接続される西鉄貝塚線との直通運転が検討されています。この直通運転の構想は、1971年に発表された都市交通審議会の答申において「都心から箱崎方面への新設路線を計画し、西鉄宮地岳線との直通運転を検討する必要がある」と言及されたことから始まりました。2007年には福岡市と西日本鉄道が相互直通運転の実現を目指すことで合意し、具体的な検討が進められました。

しかし、2010年に福岡市がまとめた新たな直通運転案では、福岡市交通局と西鉄の間で多額の初期投資が必要であることが問題となり、採算性に疑問が持たれました。その結果、実施には困難が伴い、ほとんどの案が実現性を欠くとされました。

2018年には新たな提案が発表され、貝塚駅での運行形態を変更することで両線の輸送力を維持しつつ、必要な設備投資を抑えることができる可能性が示されました。2021年には、直通運転の費用対効果についての試算が報告されましたが、収支均衡には至らないとの評価が下され、事業化には不透明な状況が続いています。

路線データ

この箱崎線は、福岡市交通局によって運営され、営業キロは4.7キロメートル、軌間は1,067ミリメートルの狭軌です。駅数は7駅で、全線が複線で電化されています。閉塞方式は車内信号式で、最高速度は75キロメートル毎時です。運行形態としては、日中は約7～8分間隔で運行されていますが、ラッシュ時には博多・福岡空港方面への輸送力確保のため本数が減少します。

車両

使用される車両は福岡市交通局のもので、空港線と共通で運行されています。現在運行されている車両には1000系と2000系があり、2024年秋には4000系が導入予定です。

歴史

箱崎線は1982年に開業し、その後数回の延伸を経て2011年には駅ナンバリングが導入されました。多くの発展を遂げながら、福岡市の公共交通機関における重要な役割を果たしています。また、西鉄貝塚線との乗り継ぎ割引を実施するなど、利用者の利便性向上にも努めています。

このように箱崎線は福岡市の移動手段としての地位を確立しており、今後の発展にも期待が高まっています。

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