福岡市水道局

福岡市水道局の概要

福岡市水道局（Fukuoka City Waterworks Bureau）は、福岡県福岡市において上水道の供給を行う地方公営企業です。主に市内のほとんどの地域へ清水を提供しており、工業用水についても一部のエリアに供給サービスを展開しています。特に、那珂川と黒門川の東側、さらには福岡都市計画道路千鳥橋唐人町線の北側地域に工業用水が供給されています。また、水道局は西区小呂島で簡易水道事業も運営しています。

事業内容

福岡市水道局は、様々な事業を展開しています。主な業務として、一般の水道利用者への水の供給を行うほか、特に注目されるのは海水を浄化して製品化した「飲む海水」という新たなサービスです。これにより、地域住民に新しい選択肢の水源を提供しています。

水源にはいくつかのダムが利用されており、例えば久原ダムや長谷ダム、猪野ダムなどの多々良川水系のダム、南畑ダムや脊振ダムなどの那珂川水系のダム、さらに室見川水系の曲渕ダムや筑後川水系の江川ダムなど多岐にわたります。これらの水源から取水した水は、各浄水場で処理されて、市民に供給されています。

浄水場は、夫婦石浄水場、高宮浄水場、乙金浄水場、瑞梅寺浄水場、多々良浄水場など、複数の施設が運営されており、安定した水質を保つために最新の技術と管理が行われています。また、北九州市上下水道局との連携により、北部福岡緊急連絡管を通じた緊急送水体制も確立されています。

経営状況

2015年度の経営状況は、営業収益が31,214百万円、営業費用が26,720百万円となり、純利益は5,611百万円の黒字を計上しました。また、企業債残高は129,258百万円に達し、工業用水道事業もつつがなく運営されており、営業収益は199百万円、営業費用は172百万円で、27百万円の純利益を挙げています。

組織構成

福岡市水道局の組織は、総務、計画、浄水、配水の各部門から構成されています。具体的には、総務部が管理業務を担当し、計画部では水道の設計と技術支援が行われています。浄水部は水質管理や浄水処理を専門とし、配水部は水の配分や整備関連業務を担っています。

歴史と今後の展望

福岡市水道局は、1978年から1979年にかけての渇水の経験や、1994年の渇水対策を踏まえつつ、水道事業のガイドラインを策定し、水質や供給能力の向上を目指しています。近年は気候変動による影響や、地元住民の水資源に対する意識の高まりに応じた対応が求められています。

今後も、福岡市水道局は地域の水供給の確保と水質の維持に全力を注ぎ、市民に信頼される水道サービスの提供を目指すでしょう。

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