多々良川

多々良川（たたらがわ）

多々良川は、福岡県糟屋郡および福岡市を流れる、二級水系多々良川の本流です。その流路は17.4kmに及び、福岡市東区の名島と箱崎ふ頭の境界から博多湾へと注ぎます。

地理

多々良川は、福岡市東部の糟屋郡を西に向かって流れ、博多湾に注ぎます。河口付近には、1933年に完成した7連アーチ橋である名島橋が架かっており、その美しい姿は地域の景観を特徴づけています。かつてはシロウオ漁が盛んに行われていましたが、近年では水質汚濁が進行し、シロウオの数は減少しています。一方で、冬にはカモ類をはじめとする多くの渡り鳥が飛来する場所としても知られており、特にクロツラヘラサギは近年、毎年飛来が確認されています。

由来

多々良川の名前は、伝承によると神功皇后の三韓出兵の際に、大陸から渡来した鋳物職人がこの地に住み着き、多々良川の川砂に含まれる砂鉄を使って鋳物を作っていたことに由来するとされています。

主な支流

多々良川には、以下の主要な支流が流れ込んでいます。

鳴淵川（なるふちがわ）
猪野川（いのがわ）
久原川（くはらがわ）
宇美川（うみがわ）
仲山川（なかやまがわ）
井野川（いのがわ）
綿打川（わたうちがわ）
須恵川（すえがわ）

これらの支流は、多々良川の流域を形成し、水系全体のバランスを保つ上で重要な役割を果たしています。

流域の自治体

多々良川の流域には、以下の自治体が含まれます。

福岡県
糟屋郡：篠栗町（ささぐりまち）、久山町（ひさやままち）、粕屋町（かすやまち）
福岡市：東区（ひがしく）

並行する交通

多々良川の周辺には、以下の交通網が整備されています。

鉄道

九州旅客鉄道（JR九州）篠栗線（城戸南蔵院前駅～吉塚駅）

道路

国道201号

その他

多々良川の河口付近に架かるJR鹿児島本線の橋梁は、鉄道写真の撮影スポットとして有名です。特に、かつて運行されていたブルートレインが通過する様子は多くの鉄道ファンを魅了し、その写真が鉄道雑誌などに掲載されることも少なくありません。

関連項目

多々良川に関連する歴史的な出来事や災害には、以下のようなものがあります。

多々良浜の戦い（南北朝時代、1336年）
多々良浜の戦い（戦国時代、1569年）
昭和28年西日本水害：九州北部の多くの河川が氾濫した大規模な水害。

多々良川は、その歴史や地理的な特徴から、地域の生活や文化に深く関わっている河川と言えるでしょう。

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