福岡県立大川樟風高等学校

福岡県立大川樟風高等学校は、福岡県大川市向島に位置する県立の高等学校です。大川市内に存在した二つの県立高校、福岡県立大川高等学校と福岡県立大川工業高等学校が統合され、2002年（平成14年）4月に開校しました。2022年（令和4年）には開校20周年を迎え、地域における中核的な教育機関としての役割を担っています。

教育内容

本校は全日制課程と定時制課程を設置しています。

全日制課程

全日制には、普通科と住環境システム科の2学科があります。

普通科: 2年次からは「総合コース」と「文理コース」に分かれます。「総合コース」では、総合普通系、総合看護・福祉系、総合情報系へと進み、幅広い分野に対応できる学びを提供します。「文理コース」では、人文系と自然科学系に分かれ、より専門的な学習を深めます。
住環境システム科: この学科は工業に関する専門学科です。2年次からは建築分野の「リビングシステム系」と、家具設計などに関わる「インテリア系」に分かれ、地域産業とも深く関わる実践的な技術を習得します。

定時制課程

定時制には普通科が設置されており、様々な状況にある生徒が学びやすい環境を提供しています。

校訓・校章

本校の校訓は「志学・創造・貢献」です。この校訓に基づき、生徒の本分は勉学にあること、学びによって自己を磨き、それが学校の伝統と誇りにつながること、そして学びを高めることが人々の役に立つこと、すなわち貢献こそが樟風高校の最も尊い姿であるという指針が掲げられています。

校章は2005年（平成17年）11月1日に制定されました。大川市の木である『桐』をデザインの基盤とし、樟風生を象徴する『樟（くすのき）』が天に向かって伸びやかに茂り、未来永劫に実を結ぶという願いが込められています。背景にはスクールカラーである紫紺色が配されています。

特色

大川市で唯一の高等学校として、地域社会の発展に貢献できる人材を育成することを目指しています。福岡県からICT教育推進校に指定されており、iPadや電子黒板、プロジェクターなどを積極的に活用し、近代的で生徒が理解しやすい授業の実践に努めています。また、ユニークな取り組みとして、普通科の生徒であっても希望すれば、通常は住環境システム科の生徒が取得するフォークリフト特別教育や車両系建設機械特別教育といった資格の修了が可能となっています。

沿革

福岡県立大川樟風高等学校の歴史は、前身である二つの高校の長い歴史を受け継いでいます。

旧：福岡県立大川高等学校

1905年（明治38年）、三潴郡大川町（当時）の榎津尋常小学校内に「私立淑徳女学館」として産声を上げました。1913年（大正2年）には「三潴郡立技芸女学校」が開設され、1921年（大正10年）4月には県への移管を経て「福岡県立三潴高等女学校」へと改編・改称されました。戦後の学制改革により、1948年（昭和23年）4月に新制高校として「福岡県立三潴女子高等学校」が発足し、1949年（昭和24年）8月には「福岡県立大川高等学校」と改称され、男女共学となりました。その後、定時制大野島分校の設置（1950年）とその廃止（1963年）、校舎や体育館の新築・完成などを経て、2003年（平成15年）4月に生徒募集を停止。2005年（平成17年）3月31日、最後の生徒が卒業したことに伴い、その歴史に幕を下ろしました。

旧：福岡県立大川工業高等学校

1921年（大正10年）4月、大川町内に「大川町立実業補習学校」が若津と榎津の二箇所に設けられ、3年制の商業科および工業科が置かれました。1924年（大正13年）2月、これら二校が統合され「大川実業学校」が設立。1935年（昭和10年）6月には青年学校令の施行を受けて「大川町立高等商工青年学校」へと改称されました。1942年（昭和17年）4月、青年学校の普通科を改編し、大川町向島に「大川工業学校」が創立。同年5月に建築科・木材工業科を設置し、開校を迎えます。戦時中の学科改編などを経て、1946年（昭和21年）2月には県立移管により「福岡県立大川工業学校」となりました。学制改革後の1948年（昭和23年）4月、「福岡県立大川工業高等学校」として新たなスタートを切り、木材工芸科（後に工芸科、インテリア科へ改称）と建築科を設置しました。1949年（昭和24年）8月には一時「福岡県立筑西高等学校」と改称されましたが、1953年（昭和28年）4月に再び「福岡県立大川工業高等学校」に戻りました。その後、機械科の設置（1963年）や校舎・体育館などの増築・完成を経て、2003年（平成15年）4月に生徒募集を停止。2005年（平成17年）3月31日をもって閉校となりました。

統合：福岡県立大川樟風高等学校

福岡県における県立高等学校の再編計画に基づき、2000年（平成12年）12月に大川高等学校と大川工業高等学校の統合が決定しました。2002年（平成14年）4月には新高校設置準備室が設けられ、同年11月の県議会で「大川樟風高等学校」の設立が正式に決定。2003年（平成15年）4月に記念すべき第1期生が入学しました。校舎は、旧大川工業高等学校の跡地に整備され、2005年（平成17年）9月に移転を完了。2006年（平成18年）3月には第1期生が卒業し、新たな歴史の一歩を踏み出しました。

交通アクセス

西鉄柳川駅からは、「大川樟風高校前」バス停で下車し（乗車時間約23分）、徒歩約2分です。
JR羽犬塚駅または西鉄八丁牟田駅からは、「中原」バス停で下車し、徒歩約10分です。

著名な卒業生（旧大川高校）

小雪（タレント）
枝光美奈（女子競輪選手）

もう一度検索