福島康司

福島康司：不屈の精神で道を切り開いたロードレース選手

福島康司（ふくしま こうじ）は、1973年8月21日生まれ、岡山県出身の元サイクルロードレース選手です。梅丹本舗・GDR・エキップアサダといったチームに所属し、その名をロードレース界に刻みました。

プレースタイルと愛称

福島選手は、集団から抜け出して積極的に逃げるスタイルを得意としていました。その果敢な走りは、往年の名選手ジャッキー・デュランを彷彿とさせ、「ジャパニーズ・ジャッキー・デュラン」という愛称で親しまれました。また、レース前後のファンサービスを欠かさないことでも知られ、ハーモニカ演奏を披露するなど、ファンを大切にする姿勢は多くの人に感銘を与えました。

ロードレースへの転向と海外での挑戦

高校・大学時代は陸上競技に打ち込んでいましたが、兄である福島晋一さんから譲り受けた自転車がきっかけで、大学卒業後にロードレースの世界へ転向します。1999年には兄と共にフランスへ渡り、現地のチームに所属してヨーロッパで活動を開始。レジョナルカテゴリーやナショナルカテゴリーのレースで実績を積み重ねました。

国内外での活躍

2004年からは、国内実業団チームであるチームブリヂストン・アンカーで活躍。ナショナルチームにも選抜され、国内レースのみならず、海外のレースでも入賞・優勝を果たします。2005年には、ヨーロッパのUCIプロツアーチームも出場するアジア最大のレース、ツール・ド・ランカウイの第3ステージで、アジア人として初めてステージ優勝を成し遂げ、第7ステージまでリーダージャージを着用しました。

プロチームでの活動と引退

2006年、日本初の独立プロロードチームであるチーム・バン・サイクリングに、兄と共に移籍。2007年以降は、チーム・バンを引き継いだエキップアサダ（2007年はNIPPO梅丹、2008年は梅丹本舗・GDR）に所属し、活躍しました。

レーススタート前には、地元の子供たちへハーモニカの演奏を披露する姿は、レースシーンではよく知られていました。他の日本人選手にはない、そのプロフェッショナルなサービス精神は高く評価されました。また、自らがアドバイザーを務めるボンシャンス飯田を通じて、地域の子供たちのために自転車教室を開き、後進の育成にも力を注ぎました。

2008年シーズンをもって現役を引退。引退後は、エキップアサダの運営会社であるシクリズムジャポンで、イベント部門のスタッフとして活動しています。

主な実績

2004年：ツアー・オブ・チャイナ 総合優勝、第3ステージ勝利
2004年：ツアー・オブ・セルビア 総合優勝、第1ステージ勝利
2005年：ツアー・オブ・サイアム 第1ステージ勝利
2005年：ツール・ド・ランカウイ 第3ステージ勝利
2006年：Boucle des mayenne 総合優勝、第2ステージ勝利
2006年：ツアー・オブ・サイアム 第1ステージ2位、第2ステージ3位
* 2007年：ツアー・オブ・サイアム 第2ステージ勝利

福島康司は、その卓越した走りはもちろんのこと、ファンを大切にする姿勢や、後進育成への貢献など、多くの人々に影響を与えた偉大なロードレース選手です。

もう一度検索