福島正幸

福島正幸の競輪人生

福島正幸（ふくしま まさゆき）は、1948年1月3日生まれの元競輪選手で、群馬県前橋市出身です。日本競輪学校第22期を卒業し、1966年にデビューを果たしました。現役時代は群馬支部に所属し、競輪界に名を刻む存在となりました。彼の登録番号は7684です。

独自のスタイルと成績

福島は、競輪解説者であり、教師でもあった寺内大吉から「コンピューター」というニックネームを授かりました。この名は、彼が選手の心理を読み解くのが得意であったこと、そして高いレース分析能力を持っていたことを示しています。具体的には、1970年の競輪王戦の決勝で、平田貞雄が本命視される中、後方からスパートをかけて圧倒的な勝利を収めるなど、彼の戦略的な競技スタイルは大きな注目を集めました。福島は、「相手の考えを先読みして行動することが重要」と語り、競輪界に新たな知力という概念を持ち込んだ最初の選手として知られています。

競輪界の3強時代

福島は同じ群馬出身の田中博や宮城県の阿部道とともに競輪の「3強時代」を築きました。1970年から1974年にかけて行われた特別競輪の19回のうち、なんと11回をこの3選手が制したのです。福島はその中で特に際立っており、合計6回の優勝を飾りました。

同県にして非協力的な関係

福島と田中は同じ群馬出身にもかかわらず、競走する際にラインを組まないことが多かったのが特徴です。その理由は、福島が師匠鈴木保巳の厳しい指導を受けていたのに対し、田中は独自に練習計画を立てていたためでした。このスタンスの違いが2人を分けていたのかもしれません。しかし、特別競輪決勝においては3回も連勝決着を演じています。

名勝負の数々

1973年、高松競輪場で行われた第16回オールスター競輪決勝では、福島、田中、阿部の3強が激しい接戦を繰り広げました。この大会では3人が表彰台を独占し、競輪ファンの間で語り草となる名勝負となりました。

突如として訪れた凋落

1975年、千葉[[競輪場]]での日本選手権決勝において、福島は落車し、その後の競技人生に暗雲をもたらしました。この出来事を境に、福島は特別競輪での成果が薄くなり、同様の状況に陥った田中、阿部と共に3強時代は幕を閉じることとなります。競輪界は若手選手が台頭してくる「ヤング全盛時代」を迎えることになります。

中野浩一との再戦

1980年代、福島は中野浩一に挑戦することを目指しました。1978年のオールスター競輪での対戦では、当初の戦略とは裏腹に、中野に先立たれ、悔しい結果となりました。この試合で福島が勝利していれば、中野の競輪界への影響も変わっていたかもしれません。

引退とその後

1982年の競輪祭をもって、福島は現役を引退すると発表しました。この引退は周囲にはまったく知らされておらず、師匠の鈴木保巳とのみに共有されていたものでした。引退後、福島は餃子店「わがまま餃子」を経営し、さらに解説者としても活動を開始しました。その後、福島は競輪OBとして独自の理論を持ち寄り、鋭い解説を続けました。

まとめ

福島正幸の競技人生は、華々しい成績と共に数多くの名勝負を生み出し、競輪界での地位を確立しました。特に彼の心理戦略や独自の指導法は多くの競輪選手に影響を与え、競輪歴史において欠かせない存在となりました。また、引退後も競輪界に対する深い理解をもとに、後進の選手たちに向けた指導や解説を通じて、影響を及ぼし続けています。

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