福島資剛

福島資剛：俳優からペンション経営者へ

福島資剛氏は1944年、長野県松本市に生まれました。明治大学卒業後、大学在学中には劇団民芸でアルバイトとして大道具係を務めていました。その後、俳優を志し劇団青俳に移籍。俳優としてのキャリアをスタートさせます。

彼の転機となったのは、1972年の出来事でした。親友であり、同期俳優だった戸野広浩司氏の急逝です。戸野氏は当時、テレビドラマ『快傑ライオン丸』でタイガージョー/虎錠之介役を演じていましたが、その急逝を受け、福島氏に同役のオファーが舞い込みました。当初は役を引き受けることをためらった福島氏でしたが、戸野氏と親交の深かった俳優・狭間鉄氏の勧めで出演を決意します。

しかし、戸野氏とは異なり、福島氏は乗馬が苦手でした。そのため、福島氏がタイガージョー役を演じることとなった以降、同キャラクターは乗馬シーンが減少しました。その後も『風雲ライオン丸』にも出演を続けました。

その後、所属していた劇団青俳の解散を機に、福島氏は芸能界から引退します。引退後は、NHKの大道具スタッフとして働きながら、新たなキャリアを築いていきました。そして、最終的にはペンション経営者として第二の人生を歩むことになります。

芸能界引退から年月が経った1999年、福島氏は意外な形で再び俳優として注目を集めることとなります。かつて『快傑ライオン丸』『風雲ライオン丸』で共演した潮哲也氏主演のビデオ作品『仮面天使ロゼッタ 漆黒のフレイア』への出演依頼だったのです。潮氏を通じて、原案担当の畑澤和也氏から、潮氏の上司役として出演オファーがありました。当初は戸惑いを感じていた福島氏でしたが、たった1シーンの出演ということもあり、承諾しました。潮氏によると、撮影現場では相当緊張していたとのことです。

福島氏の俳優としてのキャリアは、NHKの時代劇や人気刑事ドラマなど、多岐に渡ります。以下に主な出演作品をリストアップします。

主な出演作品

テレビドラマ
弥次喜多隠密道中 第7話「秋葉の火祭り」（1971年、NTV / 歌舞伎座テレビ室）アメ屋役
キイハンター 第189話「殺されに来た金色の眼の女」（1971年、TBS / 東映）
新・平家物語（1972年、NHK）
快傑ライオン丸 第42話 - 第54話「ライオン丸 最後の死闘」（1972年 - 1973年、CX / ピー・プロダクション）虎錠之介 / タイガージョー役
風雲ライオン丸（1973年、CX / ピー・プロダクション）虎錠之介 / タイガージョーJr.役
つぶやき岩の秘密（1973年、NHK）小林晴雄役
走れ!ケー100 第14話「ニセモノ紋太富士を行く」（1973年、TBS / C.A.L）八郎役
銭形平次 第410話「夢が殺した」（1974年、CX / 東映）
水戸黄門 第5部 第2話「仇討ち甲州路」（1974年、TBS / C.A.L）源太役
ビデオ作品
仮面天使ロゼッタ 漆黒のフレイア（1999年）中田商事社長役（友情出演）

福島氏の経歴は、俳優としての華やかな時代から、NHKの大道具スタッフ、そしてペンション経営者へと続く、波瀾に富んだ人生の物語です。それぞれの仕事に真摯に取り組む姿勢は、彼の生き様そのものを映し出していると言えるでしょう。 現在もペンション経営に携わりながら、穏やかな日々を送っているものと思われます。彼の経験は、多くの人々にとって、人生の可能性を示唆する一つのロールモデルとなっているのではないでしょうか。

もう一度検索