弥次喜多隠密道中

弥次喜多隠密道中

『弥次喜多隠密道中』は、1971年から1972年にかけて日本テレビ系列で放送された連続テレビ時代劇です。全26話から成る本作は、天保時代を舞台に、幕府が送り込む公儀隠密の任務と、それに伴う奇想天外な冒険を描いています。

物語の背景

物語は、幕府が各藩の監視を強化する中で始まります。公儀隠密が正体を見破られて続々と命を奪われる中、老中・水野忠邦は新たな隠密の方法を考案しました。それは、これまで忍者たちが担っていた役割を素人に引き受けさせるという挑戦的な試みです。

水野は、二人の男性を選びました。貧乏旗本の次男坊・村上弥次郎と、元伊賀の忍者である同心・青山喜多八の二人です。しかし、彼らはそれぞれに欠点を抱えています。弥次郎は真面目で堅物ですが、酒を飲むと豹変してしまう酒乱の性格です。喜多八は力強い性格であるものの、女好きで美人を見かけるとだらしない行動をしてしまいます。

この個性豊かな二人は、身分を隠すために切腹したことにし、隠密としての旅に出発します。彼らは「お伊勢参り」と称し、日本各地で悪を討伐する任務に挑むことになります。

主な登場人物

• - 村上弥次郎（四世尾上菊之助）：貧乏旗本の次男坊で、普段は真面目で堅実な性格だが、酒が入ると人が変わる酒乱。
• - 青山喜多八（目黒祐樹）：元伊賀の忍者で、力が強く、女好き。お駒に対して好意を抱く。
• - お駒（岡田可愛）：甲賀のくノ一で、三味線に仕込んだ小刀を武器とする。喜多八と喧嘩しながらも互いに好意を寄せ合う。
• - 早苗（八木孝子）：弥次郎の許婚で、彼の後を追うことが多い。
• - 榊竜軒（中村敦夫）：公儀隠密の目付けとして、弥次郎と喜多八の旅を見守る。
• - おるい（土田早苗）：お駒の後任として、使命を引き継ぎ活動する。
• - 小判鮫（林与一）：倒幕を目指す謎の盗賊。

スタッフと制作背景

本作の企画や制作には多くの人が関わり、プロデューサーには金澤佳都夫や加藤教夫が名を連ねています。殺陣は久世竜や宇仁貫三が担当し、音楽は小野崎孝輔が手がけました。主題歌「隠密大作戦」は、水原弘によって歌われ、作品に華を添えました。オープニングやエンディングも工夫が凝らされており、視聴者の記憶に残る演出がなされました。

放送情報

『弥次喜多隠密道中』は、1971年10月7日から1972年3月30日まで放送されました。放送される時間帯は毎週木曜日の20:00から21:00で、全国の多くの地域で視聴されました。後にBSジャパンでも再放送が行われ、多くのファンを魅了しました。

この作品は、ユーモアとアクションが組み合わさった娯楽時代劇として、今日でも多くの視聴者に親しまれています。人気キャラクターやストーリーの展開は、時代を超えて楽しむことができる内容となっています。

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