福島通人

福島通人：昭和の芸能界を彩った名プロデューサー

福島通人（ふくしま つうじん）は、1909年9月3日に東京の本所区両国で生まれ、1974年10月29日に肺がんで亡くなった、昭和を代表する芸能プロデューサーです。彼は、美空ひばりをはじめとする数々のスターを世に送り出し、戦後の芸能界に多大な影響を与えました。

生い立ちと初期のキャリア

幼少期から両国国技館でアルバイトをしていた福島は、その後、日比谷公会堂での勤務を経て、親戚の劇作家である旗一兵を頼り、吉本興業（東京吉本）に入社しました。そこで吉本花月劇場の支配人として手腕を振るいました。第二次世界大戦中にはコタバル上陸作戦に従軍し、負傷して帰還するという経験もしています。

美空ひばりとの出会いとプロデュース

1947年、横浜国際劇場の支配人に就任したことが、福島にとって大きな転機となりました。ここで美空ひばりと出会い、彼女の才能に惚れ込んだ福島は、1949年にひばりが出演した映画『のど自慢狂時代』や『踊る龍宮城』、そして主題歌である『河童ブギウギ』、『悲しき口笛』などのプロデュースを手掛けました。さらに、1950年には妻の母校である精華学園に美空ひばりを入学させ、彼女の活動を全面的にサポートしました。

新芸術プロダクションの設立とスター育成

1951年、福島は自ら新芸術プロダクションを設立し、社長に就任。1952年には歌舞伎座で女性として初となるリサイタルを企画しました。また、江利チエミや雪村いづみと美空ひばりを合わせた「三人娘」を結成し、ジャンケン娘として売り出すなど、斬新なアイデアで芸能界を盛り上げました。歌舞伎界からは中村錦之助や大川橋蔵を引き抜き、東映で活躍させたことも彼の功績の一つです。また、新芸プロの面接に来た高倉健を東映の俳優としてスカウトするなど、その才能を見抜く力は卓越していました。

クラウンレコードの設立

その後、福島はクラウンレコードの設立にも尽力し、音楽業界にも貢献しました。

死去

1974年10月29日、福島通人は東大医科学研究所病院にて肺がんのため、波乱に満ちた生涯を閉じました。

福島通人の功績

福島通人は、美空ひばりをはじめとする多くのスターを育て、戦後の芸能界を牽引した人物です。彼の情熱と手腕は、日本の芸能史に深く刻まれています。その功績は、今もなお語り継がれています。

参考文献

『美空ひばり物語』大下英治
『イカロスの翼 美空ひばりと日本人の40年』上前淳一郎

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