福川裕徳

福川 裕徳の学問の道

福川裕徳（ふくかわ ひろのり、1970年生まれ）は、日本の会計学者で特に監査論において高い評価を受けている人物です。彼は一橋大学大学院経営管理研究科で教授として教えており、同時に国立大学法人一橋大学で役員補佐としても活動しています。彼の研究は会計分野の各種国際会議で広く認知され、最優秀論文賞など多くの賞を受賞しています。

人物・経歴

福川は香川県高松市で生まれ育ち、香川県立高松高等学校を卒業後、1994年に一橋大学商学部を卒業しました。在学中は安藤英義ゼミに所属し、商学の基礎を学びました。その後、1996年には一橋大学大学院商学研究科の修士課程を終了し、さらに研究を深めるために博士課程へと進みました。1999年には同大学の博士後期課程を単位取得満期退学という形で修了し、2002年には「財務諸表監査が保証する財務諸表の質に関する――研究イギリス監査制度を主たる題材として」という論文で博士（商学）の学位を取得しました。この論文は、新田忠誠、谷本寛治、万代勝信の3名の審査員によって評価されました。

その後、早くも1999年に長崎大学経済学部に専任講師として勤務し、次いで助教授職へと就任しました。また、南カリフォルニア大学においてフルブライト研究員としても活動し、国際的な視野を広げました。2007年には一橋大学大学院商学研究科に准教授として復帰し、2012年には教授に昇格しました。さらに2018年には国立大学法人一橋大学の役員補佐の職に就き、財務および産学官連携に関する業務を担っています。

福川はその研究・教育活動において目覚ましい成果を上げており、特に2007年にはInternational Conference on Business and InformationにおいてBest Paper Awardを受賞しました。また、2013年には日本会計研究学会から太田・黒澤賞を受賞し、さらには2014年には日本公認会計士協会から学術賞を受けています。その年に開催されたThe 4th International Accounting ConferenceではBest Paper Awardを受賞し、彼の研究の質の高さは国際的に認められています。

著書

福川はまた、多くの著書を残しており、特に『監査判断の実証分析』は2012年に国元書房から出版されました。この著作では、監査に関する実証的な分析を通じて、判断基準とその妥当性についての考察を行っています。

また、2015年には鳥羽至英、秋月信二、永見尊との共著による『財務諸表監査』が同じく国元書房から出版され、会計監査の理論と実務に関して深い洞察を提供しています。

福川裕徳は、会計学の発展に寄与するだけでなく、次世代の研究者や実務家を育成することにも情熱を注いでおり、彼の教育活動もまた、多くの学生と専門家に影響を与えています。

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