福建省 (中華民国)

福建省の概要

福建省（ふっけんしょう）は中華民国に属する省で、1949年以降は主に金門県と連江県という限られた地域が管轄されています。それ以前は中国大陸の一部をも含んでいましたが、現在の福建省は中華人民共和国の福建省にあたります。省政府は1998年から虚省化という進行し、2019年には行政機能が事実上廃止され、名目上の行政区画となっています。このため、福建省は金門島と馬祖島の頭文字を取った「金馬地区」として知られることが多いです。

地理的な位置

福建省は略称として「閩」（びん）が用いられています。地理的には西側に江西省、南側に広東省、北側に浙江省との接点があり、東側には台湾海峡が広がっています。この地方の自然環境と豊かな文化は、多くの訪問客を惹きつけています。

行政の歴史

福建側の行政は歴史的に見ても浮き沈みがありました。1911年の辛亥革命では、福建新軍が決起し、その後、民政長官が設置されるなど、政権の変革が多く存在しました。1927年には、上海クーデターを経て国民政府に帰属し、福建省政府が設立されました。戦争期間中には、福州が日本軍に占領され、行政機関は亡命政府となりました。1945年の日本の敗戦後、施政権は回復されましたが、1949年には中国共産党によって、実際の統治権を喪失しました。

現在の状況

1949年後、福建省は金門県および連江県の一部に限られ、これが中華民国が実効支配する福建省の領域となりました。1996年には地方政府としての機能が「凍結」され、2019年には福建省政府自体が実質的に廃止されました。これにより、福建省の名称や役職は憲法上の存在となり、実体はない状態になりました。しかし、金門島や馬祖島は観光地としての発展が見られ、島民や訪れる観光客にとって新たな魅力を生み出しています。

教育機関

教育面では、国立金門大学や国立台湾海洋大学馬祖校区といった大学が存在し、地域の学生たちにさまざまな学びの機会を提供しています。また、中学校も国立金門高級中学や国立馬祖高級中学などがあり、若者の教育も重要視されています。

結論

福建省は中華民国における少数の省の一つで、その歴史や地域特性を反映した独特の文化を持っています。現在は金門県と連江県の管理の下にあり、かつての繁栄を振り返りつつも、新たな観光地としての姿を模索しています。

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