福満しげゆき

福満しげゆきは、日本の漫画家であり、その独特な作風と自虐的なユーモアで知られています。大学の夜間部を中退しており、詳しい大学名は公表されていません。彼の経歴は少々複雑で、工業高校を中退した後、定時制高校を卒業し、指定校推薦で大学に進学するも中退しています。

漫画家としての道を志したのは高校時代からで、当初は『週刊少年ジャンプ』に投稿するも、全く反応がなく、自信を失いかけました。しかし、蛭子能収の漫画に感銘を受け、『月刊漫画ガロ』の投稿コーナー「4コマガロ」へ投稿を始め、常連投稿者となります。その後、『ガロ』に持ち込みを行い、副編集長の白取千夏雄に見出され、1997年に「娘味」でプロデビューを果たします。しかし、その後『ガロ』が休刊となり、掲載先を失ってしまいます。1998年に『週刊ヤングマガジン』に投稿したことをきっかけに、時折メジャー誌にも掲載されるようになりますが、漫画家としての自信を失い、一時期漫画から離れていました。

再び漫画家として活動を再開してからは、青林工藝舎の『アックス』や幻堂出版の『何の雑誌』などのマイナー誌を中心に活動を続けました。また、ガイナックスのWEB企画「SF百景」でイラストが掲載されたこともあります。この頃に数年間同棲していた女性と結婚し、2002年に『アックス』で初の連載となる半自伝的作品「僕の小規模な失敗」が話題となり、徐々にファンを獲得していきました。2003年には初の単行本「まだ旅立ってもいないのに」を刊行しています。

その後も、更なる活躍の場を求めて『月刊IKKI』の新人賞「イキマン」に投稿し、2005年に受賞作「新世紀僕はどうなる」が掲載されます。同年9月に「僕の小規模な失敗」の単行本が刊行されると、『モーニング』の編集者の目に留まり、2006年からは同誌で「僕の小規模な生活」が不定期連載として開始。これを機に、メジャー誌からの依頼が増え、活動の場はマイナー誌からメジャー誌へと移行していきました。

2007年には『漫画アクション』で妻を題材にした「うちの妻ってどうでしょう?」の連載を開始。同年7月には『モーニング』で「僕の小規模な生活」が週刊連載となりました。2009年には『週刊少年マガジン』で読み切り作品「東村山あたりの夕日」が掲載され、少年誌にも進出。また、同年には一児の父になったことを作品内で発表しています。2010年には「うちの妻ってどうでしょう?」で第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞を受賞しています。

作中では、インターネットを積極的に活用する姿が描かれており、自身のホームページを開設したり、ネット将棋を楽しんだり、掲示板上の自著への批判に目を通したりする様子が描かれています。掲示板上の批判的な意見に対しては、漫画「闇金ウシジマくん」の登場人物・板橋のような破綻した人物の仕業だと考え、精神的なダメージを回避しているというエピソードも語られています。

作風としては、遅筆であることが作中でも言及されており、連載が休載になることも少なくありません。『モーニング』の『僕の小規模な生活』は名目上「長期休載」となっていますが、福満自身は「（続きを）『描きたい』ということを（講談社に）伝えたが、反応が無かった」と発言しています。また、「うちの妻ってどうでしょう?」の中では、「僕の小規模な生活」が事実上打ち切りとなったことを示唆する発言もしています。漫画家のモリタイシとは親交があり、彼の作品にも度々登場しています。

作画の特徴としては、「枠線以外は定規を使用しない」「スター・システム」「登場人物に名前を与えない」などが挙げられます。

主な作品として、『まだ旅立ってもいないのに』、『僕の小規模な失敗』、『僕の小規模な生活』、『うちの妻ってどうでしょう?』などがあり、エッセイ集やイラスト集も出版しています。連載作品は多数あり、「妻と僕の小規模な育児」、「答えのない問い」、「僕の最後の失敗」などが現在連載中です。過去には「生活」、「中2の男子と第6感」、「妻に恋する66の方法」など、多くの連載を手掛けています。

福満しげゆきの作品は、日常の些細な出来事や自身の体験をユーモラスに描いたものが多く、その独特な視点と表現方法が多くの読者を魅了しています。

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