福田虎亀

福田虎亀：内務官僚、政治家、そして俳人

福田虎亀（ふくだ とらかめ / とらき、1884年7月27日 - 1970年2月15日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の官僚、政治家です。熊本県玉名郡伊倉村（現在の玉名市）に生まれ、内務省官僚としてキャリアをスタートさせ、その後、政治の世界へと足を踏み入れました。また、俳句を嗜み「石馬」という号を持つ文化人でもありました。

生い立ちと初期のキャリア

福田虎亀は、福田恭敬の長男として生を受けました。熊本県立熊本中学校、官立第五高等学校を経て、1912年7月に東京帝国大学法科大学法律学科（独法）を卒業。1913年11月には文官高等試験行政科試験に合格し、1914年4月に内務省に入省、熊本県属としてキャリアをスタートさせました。

その後、熊本県警部、同葦北・阿蘇・飽託の各郡長、愛知県理事官、福島県警察部長、岡山県警察部長、警察講習所教授兼内務事務官、富山県書記官・内務部長、福岡県若松市長、京都府内務部長など、地方行政の中枢を担う要職を歴任しました。

山梨県知事と国政への進出

1931年6月27日、福田虎亀は山梨県知事に就任しますが、同年12月18日に休職、1932年1月29日に依願免本官となり退官しました。その後、政治家としての道を歩み始め、1932年2月、第18回衆議院議員総選挙で山梨県選挙区から立憲民政党公認で出馬し、当選を果たしました。その後、国民同盟に所属し、衆議院議員を一期務めました。さらに神戸市助役にも就任しました。

熊本市長としての功績

福田虎亀は、1946年に第13代熊本市長に就任。翌年には公選制で第14代熊本市長に選出され、戦後の熊本市の復興と民政安定に尽力しました。特に、水道の増設、熊本市電の再建、母子寮の設置など、市民生活の基盤を整えるための事業を推進しました。これらの功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受章しています。

晩年と死

晩年は熊本市内に居を構え、静かに生活を送っていました。1970年2月15日、肺癌のため東京都内の虎の門病院で逝去。85歳でした。

親族

福田虎亀の親族には、海軍中将の福田良三、医学博士の福田房雄、虎屋15代目当主で参議院議員、厚生大臣の黒川武雄（妻は虎屋14代目当主 黒川光景の長女）がいます。彼らも各分野で活躍し、福田家の名を高めました。


福田虎亀は、官僚、政治家、文化人として多岐にわたる分野で活躍し、その功績は今日でも高く評価されています。特に、戦後の熊本市の復興に尽力した功績は特筆されます。彼の業績は、日本の地方行政と政治史において重要な位置を占めています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
衆議院・参議院『議会制度百年史 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
山梨縣編『山梨縣政五十年誌』昭和17年。
『山梨百科事典 創刊120周年記念版』山梨日日新聞社、1992年。

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