福良伴昭

福良 伴昭：プログラマからジャストシステムを率いた実業家

福良 伴昭（ふくら ともあき）氏は、1963年1月1日生まれの日本のプログラマであり実業家です。徳島県勝浦郡勝浦町の出身で、徳島大学歯学部を中退しています。

氏のキャリアは、大学在学中の1983年に始まります。当時、徳島大学歯学部に籍を置いていた福良氏は、ジャストシステムでアルバイトをしていた友人の誘いをきっかけに、同社に足を踏み入れます。1983年6月には、大学に籍を残したままジャストシステムに入社。当初はアルバイトという立場でありながら、当時の主力商品であったオフコン向けの日本語ワープロの新規開発において、主力プログラマの一人としてその才能を発揮しました。特に、NECのPC-100向けのワープロソフトコンペティションでは、同社開発のソフトウェア採用に貢献しています。また、『一太郎』の礎となった『JS-WORD』の開発においては、メインプログラマとして中心的な役割を担いました。

その後、ジャストシステムの創業者である浮川和宣氏の強い勧めを受け、大学を中退するという大きな決断を下します。実家のある集落で初の歯科医となることが期待されていた中でのこの決断は、氏がプログラマとしての道を本格的に歩む覚悟を示すものでした。大学中退後も、氏の貢献は続き、『一太郎』や『花子』といった同社の主力ビジネスアプリケーション開発に深く携わっていきました。

経営層としては、1986年6月に取締役に就任して以降、そのキャリアを積み重ねます。1995年6月には常務取締役に昇進。一時期、1998年3月には取締役へ降格する局面もありましたが、翌1999年6月には再び常務取締役へと復帰しています。さらに、2003年4月からはビジネスアプリケーション製品開発部部長を兼任し、開発現場の責任者としての手腕も発揮しました。

氏のキャリアにおける大きな転機は、2009年に訪れます。ジャストシステムが経営的な課題を抱え、同年4月にキーエンスの傘下に入ったことを受け、創業社長である浮川氏が同年6月に社長を退任します。この重要な局面において、福良氏はジャストシステムの二代目代表取締役社長に就任し、会社のかじ取りを任されることとなりました。プログラマとして創業期から同社の製品開発を支え、成長を牽引してきた人物が、経営トップとして新たな時代を率いることになったのです。

社長として約7年間同社を率いた後、2016年3月に代表取締役社長を退任し、取締役となります。そして、同年6月をもってジャストシステムを退社しました。氏の経歴は、大学で専門分野を学びながらも、自身の情熱を追求して別の道に進み、プログラマとして卓越した技術力を発揮し、最終的には企業の最高経営責任者にまで上り詰めた軌跡を示しています。ジャストシステムの成長期から変革期に至るまで、技術と経営の両面で重要な役割を果たした人物といえるでしょう。

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