福音聖書神学校

福音聖書神学校

福音聖書神学校（ふくいんせいしょしんがっこう、英語名: Evangelical Biblical Seminary）は、大阪府池田市に校舎を構える、日本メノナイト・ブレザレン教団によって設立され、運営されている神学校です。この学校は、キリスト教の教会で奉仕する牧師や伝道者など、働き人を育成することを主な使命としています。

沿革

本校の歩みは、1957年に大阪市此花区において、「日本メノナイト・ブレザレン聖書学院」という名称で始まったことに遡ります。設立後、学校の名称は変更され、1961年から1971年までの約10年間は「大阪聖書神学校」として活動を続けました。そして、1977年には校舎を現在の大阪府池田市の場所に移転し、以来、この地で教育活動を行っています。

教育理念と神学的な特色

福音聖書神学校の教育は、聖書を揺るぎない真理として重んじる「聖書信仰」をその根幹に置いています。学校のモットーであり標語聖句とされているのは、テモテへの手紙第二の2章15節です。この聖句に導かれ、本校は「初代キリスト教会の信仰と精神」に堅く立つことを教育の大きな目標としています。

学生への指導においては、単に学問的な知識の修得に留まらず、「兄弟愛」の精神に基づいた、規律ある訓練と全人的な教育が重視されています。提供される神学教育は、聖書信仰を土台とした組織神学および実践神学が中心となります。

また、本校は、16世紀の宗教改革期に起こった再洗礼派（アナバプテスト）の運動から流れる精神を受け継いでいることも特徴の一つです。さらに、終末論において、救済史におけるイエス・キリストの再臨や、それに伴うイスラエル民族の独自の役割を認める「穏健ディスペンセーション神学」の立場をとっており、この独自の神学的視点から聖書解釈や教えが行われています。

提供される課程

将来のキリスト教の奉仕者や教育者を育成するため、福音聖書神学校では複数の教育課程が用意されています。

本科神学課程: 3年制のコースで、牧師を目指す学生のために、神学を体系的に深く学びます。
本科キリスト教教育課程: こちらも3年制で、教会や関連機関でキリスト教教育に携わるための専門知識とスキルを習得します。
教会伝道者課程: 教会での伝道活動に特化した実践的な訓練を提供する課程です。
信徒説教者課程: 教会で説教の奉仕を担う一般信徒を対象とした課程であり、学びやすい通信制の形態をとっています。

これらの多様な課程を通じて、学生は自身の召しに応じた形で、教会や社会に貢献するための準備を進めます。

入学資格

以前は、神学生として入学できるのは男性に限られていましたが、2016年をもってこの性別による制限は撤廃されました。現在では、性別に関わらず、神学教育を志し、将来キリスト教の働き人となることを願うすべての人々に門戸が開かれています。

関連事項

福音聖書神学校は、設立母体である日本メノナイト・ブレザレン教団と密接な連携のもとに運営されています。また、その神学的な背景の一部には、歴史的な再洗礼派（アナバプテスト）の思想や伝統が息づいています。

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