私の夫は冷凍庫に眠っている

私の夫は冷凍庫に眠っている



概要


『私の夫は冷凍庫に眠っている』は、日作家である八月美咲によるサスペンス小説です。インターネット上の小説投稿サイト「エブリスタ」にて2019年に発表されました。その後、小学館より文庫として刊行され、高良百によって漫画化もされています。また、テレビ東京系で連続ドラマ化もされ、幅広いメディア展開を見せた作品です。

物語の核心は、主人公の女性が夫を殺害し、自宅の物置にある冷凍庫に遺体を隠したはずだったのに、その数日後、死んだ夫と全く同じ顔をした男が目の前に現れることから始まります。一体この男は何者なのか? そして、主人公とこの謎の男との間に繰り広げられる、不気味で歪んだ共同生活の行方が描かれていきます。

あらすじ


夏の暑い日、主人公である夏奈は、長年にわたる夫・亮からのDVに耐えかね、ついに彼を殺害します。遺体を隠す場所に選んだのは、彼女の祖父が遺した業務用の大型冷凍庫でした。これでようやく悪夢から解放されるはずだった夏奈。しかし、数日後、死んだはずの亮と瓜二つの男が、何食わぬ顔で彼女の家のドアを叩きます。戸惑いながらもその男を家に入れた夏奈は、まるで亮が生きていたかのような日常を共に送ることになります。この男は当に亮なのか? それとも別の誰か? 夫を殺したという罪の意識と、目の前の男への疑念、そして再び始まる奇妙な共同生活の中で、夏奈の精神は次第に追い詰められていきます。

主な登場人物


夏奈(なな)
作の語り手であり主人公。夫の暴力に苦しみ、彼を殺害する。冷静沈着に見える一方、極限状態に追い込まれていく。
亮(りょう)
夏奈の夫。夏奈に対して継続的に暴力を振るっていた。物語の冒頭で夏奈によって殺害されるが、後に彼にそっくりな男が現れる。
奏(そう)
亮の双子の弟。亮とは異なる人物像を持つ。
夏奈の祖父
故人。幼い夏奈に優しく接し、駄菓子屋で使用していた大型冷凍庫を物置に残した人物。この冷凍庫が物語において重要な役割を果たす。

書誌情報


小説


八月美咲『私の夫は冷凍庫に眠っている』
小学館小学館文庫〉、2021年5月7日発売、ISBN 978-4-09-407012-5

漫画


八月美咲(原作)・高良百(作画)『私の夫は冷凍庫に眠っている』(『マンガワン』『裏サンデー』配信連載)
第1巻:2020年10月16日発売、ISBN 978-4-09-850297-4
第2巻:2021年4月12日発売、ISBN 978-4-09-850504-3
全2巻が小学館より刊行されています。

テレビドラマ


2021年4月10日から5月15日まで、テレビ東京系の「サタドラ」枠(土曜23時25分 - 23時55分)にて放送されました。主演は仮屋ユイカ。

ドラマ化にあたり、原作を基にしつつも、テレビシリーズ独自のオリジナルストーリーや展開が加えられています。

キャスト


如月夏奈 - 仮屋ユイカ(中学時代:長澤樹
佐藤亮 / 久保田奏(二役) - 白洲迅
唐沢幸介(亮の上司) - 青柳翔
阿久津誠(探偵) - おかやまはじめ
如月木芽(夏奈の母) - 浅田美代子
孔雀(夏奈の家の向かいに住む作家) - 斉藤由貴
その他、小久保寿人、中澤梓佐らが出演しています。

スタッフ


原作 - 八月美咲『私の夫は冷凍庫に眠っている』
監督 - 御法川修
- 大谷洋介、山久美子、御法川修
音楽 - 木戸崇博、村田有希
撮影 - 松宮まなぶ
エンディングテーマ - MATSURI「金魚すくい」
プロデューサー - 岡部紳二、佐々木梢、宮田幸太郎
製作協力 - スタジオブルー
製作 - テレビ東京テレビ東京制作

ネット配信


Paraviでは、テレビ放送に先駆けて2021年3月31日午前0時より全話が一挙先行配信されました。

この作品は、日常に潜む狂気と人間の心理を深く描いたサスペンスとして、多くの読者や視聴者に衝撃を与えました。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。