秋山理敏

秋山理敏（あきやま まさとし）

秋山理敏は、1897年（明治30年）に生まれ、1947年（昭和22年）に亡くなった日本の外交官です。長野県上伊那郡藤沢村（現在の伊那市）出身で、激動の時代に外交官として重要な役割を果たしました。

生い立ちと学歴

秋山は、長野県立諏訪中学校（現在の長野県諏訪清陵高等学校）を経て、1920年（大正9年）に東京高等商業学校を卒業し、高等試験外交科に合格しました。その後、外務属となり、1922年（大正11年）には東京商科大学（現在の一橋大学）専攻部領事科を卒業しています。これらの学歴は、彼の外交官としてのキャリアの基礎を築きました。

外交官としてのキャリア

秋山は、領事官補としてキャリアをスタートさせ、その後、外務事務官・通商局第一課勤務、イタリア大使館三等書記官、同二等書記官、通商局第三課勤務・外務大臣秘書官、外務書記官・大臣官房電信課長、企画庁調査官・総裁秘書官、企画院書記官、中華民国大使館一等書記官、シドニー総領事など、数々の要職を歴任しました。これらの経験を通じて、外交官としての専門知識と経験を深めていきました。

1941年（昭和16年）には、駐パナマ公使に任命され、コスタリカとニカラグアの公使も兼任しました。この時期は、第二次世界大戦が激化する直前であり、国際情勢が緊迫化していました。秋山は、このような状況下で、中米地域における日本の外交活動を担いました。

1942年（昭和17年）に帰国した後、外務省内に新設された戦時調査室に異動しました。戦時調査室では、戦時下の情報収集や分析に携わり、日本の戦争遂行を間接的に支える役割を果たしました。

終戦連絡京都事務局局長

日本の降伏後、1945年（昭和20年）からは、終戦連絡京都事務局局長に就任しました。この役職は、終戦後の混乱期において、連合国軍との連絡や調整を行う重要な役割を担っていました。秋山は、この職務を通じて、日本の円滑な終戦処理に貢献しました。

栄典

秋山の功績を称え、1943年（昭和18年）10月9日には、勲三等瑞宝章が授与されました。

参考文献

• - 日本官界情報社編『日本官界名鑑 昭和十七年版』日本官界情報社、1942年。

秋山理敏は、激動の時代に外交官として多岐にわたる役職を歴任し、その経験と知識をもって日本の外交に貢献しました。彼の生涯は、明治から昭和にかけての日本の外交史を語る上で、重要な一例と言えるでしょう。

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