秋山直紀

秋山直紀

秋山直紀（1949年 - ）は、日本の防衛産業に関わる人物。

人物

立正大学在学中に政治評論家の戸川猪佐武の事務所に出入りし、1973年に立正大学経営学部を卒業。その後、ユダヤ系アメリカ人実業家との繋がりを得て、その日本総支配人という肩書きで戸川を介して日商岩井副社長の海部八郎らと知り合う。1983年に戸川が死去した後は、元防衛庁長官・金丸信の支援者の個人秘書を務めた。

幅広い人脈を築き、日米の防衛に連なる政財官界に影響力を持つようになる。1990年に日米文化振興会理事、2002年に同会専務理事に就任。2006年には日米文化振興会を改称した社団法人日米平和・文化交流協会の専務理事となった。

2007年に発覚した守屋武昌防衛事務次官の逮捕に繋がる山田洋行事件では、日米防衛人脈のフィクサーとして注目を集めた。2008年1月には、同事件に関連して参議院外務防衛委員会に参考人として招致されている。同年2月、民事訴訟における破産宣告申し立てが認められたと報じられたが、これは誤報であり、協会専務理事を辞任はしていない。しかし、同年7月には山田洋行からの防衛コンサルタント料に絡む所得税法違反で逮捕された。起訴後、同年12月に保釈金1000万円で保釈された。

アドバック・インターナショナルを迂回した資金の流れについては、社会新報の田中稔が先行報道。この一連の報道が、東京地検特捜部による捜査のきっかけとなった。

2005年9月には、アメリカの経済誌「フォーブス」で日米の防衛問題におけるキーマンとして取り上げられた。しかし、日本版フォーブスには掲載されなかったことが、各国のマスコミや軍事専門家から注目を集めた。

2010年1月、検察は秋山に対し、防衛庁や国土交通省が発注する遺棄化学兵器処理事業の受注業者選定に影響力を行使したとして、懲役3年、罰金3000万円を求刑。秋山は公判で、有印私文書偽造・同行使罪や電磁的公正証書原本不実記録・同併用罪については認めたものの、脱税についてはアメリカ法人に実態があり、法人税として納付しているとして、所得税法違反については無罪を主張した。2010年3月、東京地裁は所得税法違反を含む全ての罪を認定し、懲役3年、執行猶予5年、罰金2700万円の有罪判決を言い渡した。2011年10月、最高裁で有罪が確定した。

2014年、久間章生がトップを務める国際平和戦略研究所及び安全保障議員協議会の事務方を担当。

刑事訴追

所得税法違反

2003年から2006年にかけて、日米平和・文化交流協会が受注した遺棄化学兵器処理事業を巡り、山田洋行、神戸製鋼、日立製作所の技術を高く評価する報告書を防衛庁や国土交通省に提出。その見返りとして、3社からコンサルタント料などの名目でアドバック・インターナショナルに送金された約3億1400万円を法人所得扱いとし、個人所得を隠蔽し、9900万円の所得税を脱税した。

有印私文書偽造・同行使罪

強制執行を妨害したとして損害賠償を求められた民事訴訟に関連して、2004年10月に関係者がアメリカの公証人の前で宣誓供述をしたとする偽造文書を東京地裁に提出した。

電磁的公正証書原本不実記録・同併用罪

2006年12月に顧問を務めるアドバック・インターナショナル名義のマンションを別の米国法人への売却を偽装するため、宣誓供述書を法務局に提出し、虚偽の不動産登記を行った。

著書

「防衛疑獄」（講談社）
「新仮想敵国」（ピープル社）

関連項目

日米平和・文化交流協会
山田洋行事件

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