秋月文種

秋月文種

秋月文種（あきづき ふみたね）は、戦国時代の武将であり、秋月氏の15代当主として知られています。筑前国（現在の福岡県）の古処山城を拠点としていました。

生涯

永正9年（1512年）、筑前国の有力国人である秋月氏の14代当主・秋月種時の嫡男として生まれます。秋月氏は、地域において一定の勢力を持っていました。

享禄4年（1531年）、父・種時の死去に伴い家督を継承し、秋月氏の当主となります。この頃、大宰大弐や筑前など6か国の守護を兼任し、中国地方で強大な勢力を誇った大内義隆に従属しました。大内氏と大友氏との和睦に貢献したとされ、その功績が認められ、天文10年（1541年）には義隆の推挙により室町幕府の幕臣に任じられるという栄誉を得ています。また、文種の嫡男・晴種は、第12代将軍・足利義晴から偏諱を受けたとされています。

天文12年（1543年）には、砥上神社（中津屋神社、現在の福岡県朝倉郡筑前町）において、大内田勘解由重国（当社・初代宮司）が初めて祭祀を行った際、文種は神殿の造営に深く関わりました。筑紫氏とともに祭祀料として二町余の神領を寄進しています。

しかし、天文20年（1551年）に大内義隆が家臣・陶晴賢の謀反によって自害すると（大寧寺の変）、文種の立場も大きく変化します。義隆の死後、豊前国の大友義鎮（宗麟）に属することになります。

弘治3年（1557年）、大内氏が滅亡し、中国地方で新たに台頭した毛利氏の勢力が北九州にまで及んでくると、文種は毛利元就の調略に応じて大友氏に反旗を翻します。この行動が、その後の秋月氏の命運を大きく左右することになります。

同年7月、大友義鎮は戸次鑑連（立花道雪）と臼杵鑑速に2万の兵を与え、文種討伐を命じます。文種は、秋月氏の拠点であった杉本城を放棄し、嫡男・晴種のいる古処山城に籠って徹底抗戦しますが、衆寡敵せず、晴種と共に城中で自刃しました。

文種・晴種父子の死により、秋月氏は一時的に滅亡し、ほとんどの所領を失うこととなりました。しかし、残された子供たちは家臣らに守られ、毛利氏の元に逃れるなどして、命脈を保ちました。また、残った所領は家臣の深江氏が死守しました。

文種の生涯は、戦国時代の激しい勢力争いの中で、自らの領地と家を守るために奔走した武将の姿を象徴しています。情勢に応じて大内氏、大友氏、毛利氏と主君を変えましたが、最終的には大友氏への反旗が悲劇的な結末を招きました。

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