秋田中央道路

秋田中央道路の詳細解説

秋田中央道路は、秋田県秋田市の国道7号臨海十字路を起点とし、秋田自動車道・秋田中央インターチェンジを終点とする、全長約8kmの地域高規格道路です。この道路は、秋田県道26号秋田停車場線および秋田県道62号秋田北野田線の一部を構成しています。

概要

1994年（平成6年）に計画路線に指定され、2007年（平成19年）に暫定2車線で開通しました。全線無料で通行できます。特に「秋田中央道路トンネル」は、秋田駅および秋田市中心市街地を東西に横断する自動車専用道路であり、この区間を指して「秋田中央道路」と呼ばれることも多いです。トンネルは旭川・久保田城外堀の河川下を通るため水底トンネルとなり、危険物積載車の通行は禁止されています。

路線データ

• - 路線名: 秋田都市計画道路1・4・2号 秋田中央道路（秋田県道62号秋田北野田線）
• - 総延長: 2.55km（幅員9.75m）
• - トンネル起点: 秋田県秋田市旭北錦町（秋田県道26号秋田停車場線内）
• - トンネル終点: 秋田県秋田市手形字西谷地
• - 道路規格: 第2種第2級（自動車専用道路）
• - 設計速度: 60km/h
• - トンネル等級: AA級
• - 通行料: 無料
• - 通行禁止: 危険物搭載車両、125cc以下のバイク、軽車両
• - その他: 携帯電話使用可能（PHSや一部機種を除く）
• - 通行不能区間: 毎年8月3日-6日の18:00-21:30（竿燈まつり関連のため）

トンネル区間の各出口には信号機が設置されており、一般道との合流を制御しています。旭北出口と駅東出口の信号は既存の交差点とは独立して運用されています。

建設の経緯

構想

秋田駅東西間の交通は、手形陸橋と明田地下道に依存していましたが、慢性的な交通渋滞が問題となっていました。そこで、渋滞解消、秋田市中心部と秋田自動車道・秋田空港とのアクセス向上、中心街の活性化を目的として、新たな道路建設が計画されました。高架案なども検討されましたが、費用対効果から地下トンネル案が採用されました。

計画

当初は、山王旭北出入口と秋田駅東出入口を地下道で結ぶ4車線道路として計画されましたが、地質調査の結果、軟弱な地盤であることが判明し、事業費が大幅に増加しました。最終的に、広小路側のみを通る暫定2車線での整備が決定しました。

工事

トンネル掘削には、開削工法とシールド工法が採用されました。シールドマシン「ほりたんぽ君」は、約1年7ヶ月をかけて1,525mを掘進し、高精度で目標地点に到達しました。掘削後、「ほりたんぽ君」の胴体はトンネルの壁として利用され、他の部品は解体されました。旭北出入口の建設に伴い、ケヤキは移植されました。

完成

2007年（平成19年）9月15日に秋田わか杉国体の開催に合わせて開通しました。開通直後から交通渋滞が発生し、交通規制が敷かれるほどでした。最終的な総事業費は686億円でした。

将来

当初計画では4車線化を目指していましたが、南側ルートの建設は現在のところ未定です。

その他

• - 開通前に「一日限りの歩行者天国」として一般公開されました。
• - 秋田中央交通が、定期路線バスを平日のみ運行しています。
• - 全日本建設技術協会より「平成19年度全建賞（都市部門）」を受賞しました。
• - 開通当初から交通事故が多発しています。速度超過やトンネル構造が原因として考えられています。
• - 2011年の東日本大震災では、停電により一時的に通行止めとなりました。
• - 2022年、秋田県の「未来に伝えたい秋田のインフラ50選」に選出されました。
• - 2023年7月には、記録的な大雨で冠水し通行止めとなりました。その際、誤った火災情報が拡散しましたが、実際には火災は発生していませんでした。

秋田中央道路は、秋田市の交通を大きく変える重要なインフラですが、その建設から現在に至るまで、様々な課題と対策が講じられてきました。

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