秋笹政之輔

秋笹政之輔の生涯

秋笹政之輔（あきささ まさのすけ、1903年1月16日 - 1943年7月15日）は、日本の戦前期における重要な政治運動家の一人です。彼は、日本共産党中央委員や「赤旗」の編集長として知られ、その活動は多くの人々に影響を与えました。

初期の経歴

埼玉県北足立郡田間宮村（現在の鴻巣市）で生まれた秋笹は、本名を正之輔といいます。彼は埼玉県立熊谷中学校を卒業後、早稲田大学附属第二高等学院に進学しました。在学中に、関東学生連合会に加盟し、組織部長や常任委員を務めました。その後、1926年、京都学連事件に関与し、軍事教練反対の運動を指導したため、退学処分となります。

政治活動の開始

1927年1月、彼は産業労働調査所に入り、機関誌『インターナショナル』の編集発行人として活動を始めました。同年10月には、労働農民党に入党し、さらに翌年の1928年には日本共産党に加入します。これにより、彼の政治活動はさらに本格的なものとなります。

投獄とその後の復帰

1929年には、四・一六事件により逮捕され、5年の懲役を受けますが、病気を理由に1931年に保釈されます。その後、再び共産党に復帰し、中央アジア・プログラムの部員として活動します。1932年から1933年にかけては『日本資本主義発達史講座』において「植民地政策史」についての論文を執筆し、学者としての道も歩み始めます。

編集業務と党内での地位

1933年には党の機関紙「赤旗」の編集長に就任し、その年の9月には党中央委員候補に選ばれます。しかし、同年12月には警察のスパイの疑惑の中で査問に関与し、これが後に「日本共産党スパイ査問事件」として知られることになります。

最期の時

1934年に警察の動きを察知し逃亡を試みますが、結局捕まり、懲役7年の判決を受けます。服役中に精神的な問題を抱えるようになり、1943年に獄中で亡くなります。秋笹政之輔は、その短い生涯において多くの困難に立ち向かいながら、日本の政治運動に大きな足跡を残しました。

参考文献

彼についての研究には、立花隆の『日本共産党の研究』や『デジタル版 日本人名大辞典』があり、彼の活動や影響力を知る上で重要な資料となっています。また、鴻巣市市史編さん調査会編『鴻巣市史 通史編3 近・現代』にも、秋笹政之輔の活動に関する詳細な記録があります。

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