秋芳町とは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

秋芳町は、かつて山口県西部に存在した町で、美祢郡に属していました。町の地理的な特徴として、日本最大級のカルスト台地である秋吉台が挙げられます。町の中心部は、この秋吉台の南側に位置する緩やかな丘陵地帯にありました。気候は内陸性で、夏は高温多湿、冬は寒く、時には積雪も見られる地域でした。

町の北部は中国山地が横断しており、その南側に広がるのがカルスト台地の秋吉台です。町の大部分は秋吉台国定公園に指定されており、その地下には多くの鍾乳洞が存在します。町の中央を厚東川が南北に流れ、その両側には平地が広がっています。人口のほとんどは、この厚東川とその支流沿いに集中していました。

秋芳町の歴史は、1955年（昭和29年）に秋吉村、岩永村、別府村、共和村が合併して発足したことに始まります。その後、2007年（平成19年）に美祢市、美東町との合併協定書に調印し、2008年（平成20年）3月21日に美祢市、美東町と合併して、新たな美祢市が発足し、同時に秋芳町は廃止されました。

秋芳町の最後の町長は中本喜弘氏でした。彼は2007年4月の統一地方選挙で初当選し、観光事業の活性化を目指しました。しかし、観光事業特別会計の赤字が膨らんでいたため、町長選挙では厳しい批判が相次ぎました。2005年度の連結実質収支比率は、全国ワースト3位という厳しい財政状況でした。

秋芳町は、隣接する美祢市とともに宇部・小野田広域都市圏に含まれていました。南部を中心に宇部市や美祢市との経済的な繋がりが深く、北部は長門市との交流も見られました。主要な産業は観光業と農業で、観光では秋吉台や秋芳洞といった自然を生かしたものが多く、農業では北部の嘉万地区を中心に梨の生産が盛んでした。

教育機関としては、山口県立美祢高等学校があり、郡内の中学校と連携した中高一貫教育を行っていました。中学校は、秋芳北中学校と秋芳南中学校がありました。小学校は、嘉万小学校、別府小学校、秋吉小学校、本郷小学校、下郷小学校がありましたが、八代小学校は2006年に嘉万小学校に統合されました。

町内には鉄道は通っておらず、最寄りの駅はJR美祢線の美祢駅でした。バス路線は、旧町役場近くの秋吉駅と秋芳洞バスターミナルが拠点でした。主なバス路線として、JRバス中国、防長交通、サンデン交通がありました。道路としては、国道435号、主要地方道、一般県道が整備されていました。

秋芳町の主な観光スポットは、秋吉台、秋芳洞、別府弁天池湧水（名水百選）、秋吉台国際芸術村、秋芳白糸の滝、秋吉台家族旅行村などがあります。また、毎年7月には秋吉台観光まつりが開催されていました。

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