美祢郡

美祢郡（みねぐん）は、かつて山口県（長門国）に存在した郡です。1879年（明治12年）に行政区画として発足し、郡役所が大田村に設置されました。郡域は、現在の美祢市の大部分（豊田前町各町を除く）にあたります。

歴史

近世以降の沿革

明治初年、美祢郡の全域は周防山口藩の領地でした。当時の状況は「旧高旧領取調帳」に記録されており、大田村、長登村、綾木村、長田村、真名村、岩永本郷村、岩永下郷村、秋吉村、嘉万上郷村、嘉万下郷村、青景村、赤村、絵堂村、厚保原村、厚保本郷村、厚保川東村、山中村、伊佐村、河原村、大嶺東分村、大嶺西分村、大嶺奥分村、大嶺北分村、於福上村、於福下村の25村が存在しました。

1871年（明治4年）7月14日の廃藩置県により、美祢郡は山口県の管轄となりました。そして1879年（明治12年）1月6日、郡区町村編制法の施行に伴い、行政区画としての美祢郡が正式に発足しました。

町村制以降の沿革

1889年（明治22年）4月1日、町村制が施行され、以下の13村が誕生しました。これらの村は、現在の美祢市域に相当します。

大田村: 大田村と長登村が合併。
綾木村: 単独で村制。
真長田村: 真名村と長田村が合併。
秋吉村: 単独で村制。
岩永村: 岩永本郷村と岩永下郷村が合併。
伊佐村: 伊佐村と河原村が合併。
東厚保村: 厚保川東村と山中村が合併。
西厚保村: 厚保原村と厚保本郷村が合併。
大嶺村: 大嶺西分村、大嶺奥分村、大嶺東分村、大嶺北分村が合併。
於福村: 於福下村と於福上村が合併。
別府村: 嘉万下郷村が単独で村制。
共和村: 嘉万上郷村と青景村が合併。
赤郷村: 絵堂村と赤村が合併。

1896年（明治29年）9月1日には郡制が施行され、郡の行政機能が強化されました。しかし、1923年（大正12年）4月1日に郡会が廃止され、郡役所は存続したものの、同年8月1日には大田村が町制を施行し大田町となりました。1924年（大正13年）1月1日には伊佐村も町制を施行し、伊佐町となっています。

1926年（大正15年）7月1日に郡役所が廃止され、郡は単なる地域区分名称となりました。その後、1939年（昭和14年）5月1日に大嶺村が町制を施行し、大嶺町となりました。

1954年（昭和29年）3月31日には、大嶺町、伊佐町、於福村、東厚保村、西厚保村が豊浦[[郡]]豊田前町と合併し、美祢市が発足。これにより美祢郡から離脱しました。同年10月1日には、大田町、綾木村、真長田村、赤郷村が合併し、美東町が誕生しました。1955年（昭和30年）4月1日には、秋吉村、岩永村、別府村、共和村が合併し、秋芳町が発足しています。

最終的に、2008年（平成20年）3月21日に美東町と秋芳町が美祢市に合併し、新たに美祢市が発足。この合併によって、美祢郡は完全に消滅しました。

行政

歴代の郡長については、詳しい記録は残っていません。

変遷表

美祢郡の行政区画の変遷については、詳細な表が別途資料として存在しますが、ここでは省略します。

脚注

詳細な情報については、参考文献を参照ください。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 35 山口県』、角川書店、1988年11月1日。ISBN 4040013506。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧
* 三根[[郡]]

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