秋草俊

秋草 俊（あきくさ しゅん）

概要

秋草俊は、日本の昭和時代において陸軍軍人として著名な存在でした。その活動は主に、対ソ連の諜報業務に特化し、情報将校として多大な貢献を果たしました。彼は陸軍中野学校の初代校長として知られ、さらに星機関や関東軍情報部の長を務めました。

生い立ち

秋草俊は1894年の4月6日、栃木県足利市に秋草直右衛門の四男として生を受けました。幼少期には東京の親戚である秋草晃の養子となります。1914年、彼は陸軍士官学校第26期を卒業。陸軍依託学生として、その後東京外国語学校の学びを経てハルピンに留学し、国際的な視野を広げることとなりました。

軍歴のスタート

卒業後、秋草は陸軍内でのキャリアを開始し、関東軍特務機関において重要な役割を果たしました。特に1933年にはハルピン特務機関の補佐官として任命され、このころから彼は対ソ諜報のエキスパートと見なされるようになります。

陸軍中野学校の設立

1936年、彼は阿南惟幾兵務局長の提案によって設立された「科学的防諜機関」の準備委員に名を連ねました。そして1938年に後方勤務要員養成所が設立される際には、その初代校長に就任しました。この学校は、日本の情報機関の基盤を築く重要な役割を果たしました。

戦後の影響

第二次世界大戦の敗戦後、秋草は逃亡を勧める部下の意見を却下し、ソ連軍に降伏。彼は連行され抑留生活を送ることになります。1948年には公職追放の仮指定を受け、その後1949年にモスクワ州ウラジーミル監獄で死亡しました。享年は54歳で、彼の墓はウラジーミル監獄近くの市民墓地にあります。

年譜

• - 1914年（大正3年）

- 4月：陸軍士官学校（第26期）を卒業
- 12月：歩兵少尉に任官、近衛歩兵第1連隊附

• - 1918年（大正7年）

- 7月：歩兵中尉に任官

• - 1924年（大正13年）

- 3月：歩兵大尉に任官

• - 1926年（大正15年）

- 4月：東京外国語学校に入学

• - 1928年（昭和3年）

- 4月：参謀本部付勤務

• - 1933年（昭和8年）

- 3月：ハルピン特務機関の補佐官に就任

• - 1936年（昭和11年）

- 12月：兵務局附兼参謀本部附

• - 1938年（昭和13年）

- 8月：後方勤務要員養成所長

• - 1945年（昭和20年）

- 2月：関東軍情報部長（ハルピン特務機関長）

• - 1949年（昭和24年）

- 3月22日：死去

参考文献

彼の人生や業績については、複数の著作が存在し、特に以下の文献が著名です。

• - 斎藤充功による『日本のスパイ王: 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実』
• - 山本武利の『陸軍中野学校』
• - 丸谷元人の『日本のスパイ・マスター 秋草俊』

秋草俊の生涯は、日本の陸軍情報活動の発展に不可欠なものであり、彼の業績は今なお多くの研究の対象である。

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