科学基礎論学会
科学基礎論学会について
科学基礎論学会（The Japan Association for Philosophy of Science）は、1954年2月に設立された歴史ある日本の学会です。その目的は、科学の基礎に関する研究を促進し、国際的な学術交流を深め、学問の進歩に貢献することです。学会の性格は学際的であり、会員の専門分野は多岐にわたります。具体的には、数学、哲学、論理学、物理学、心理学など、幅広い分野の研究者が集まっています。2011年3月時点で、会員数は一般会員が約440名、名誉会員が4名でした。2006年時点での女性会員比率は約7%となっています。
機関誌
科学基礎論研究
学会の主要な活動の一つとして、機関誌『科学基礎論研究』を年に約2回発行しています。この雑誌は学会設立と同年の1954年に創刊され、長年にわたり科学基礎論の研究成果を発表する場を提供してきました。創刊当時の編集委員には、下村寅太郎（哲学）、大江精三（哲学）、丘英通（生物学）、黒田成勝（数学）、末綱恕一（数学）、高木貞二（心理学）、三宅剛一（哲学）、山内恭彦（物理学）、湯川秀樹（物理学）といった、各分野を代表する著名な研究者が名を連ねていました。
2009年からは、雑誌の本文がPDF形式でインターネット上で無料公開されるようになり、オープンアクセス化が実現しました。これにより、より多くの研究者が最新の研究成果に触れることが可能になりました。
Annals of the Japan Association for Philosophy of Science
学会は、欧文誌として『Annals of the Japan Association for Philosophy of Science』も年1回発行しています。この欧文誌も和文誌と同様に、インターネット上でPDF形式で全文無料公開されており、世界中の研究者がアクセス可能です。和文誌は共著の場合を含め、少なくとも一人の著者が会員であることが論文投稿の条件ですが、欧文誌では会員以外からの論文も広く受け付けています。これにより、国際的な研究交流を促進する役割も担っています。
奨励賞
学会では、2003年度から各年度に発行する和文誌および欧文誌に掲載された論文の中から、特に優れた論文を対象に「奨励賞」を授与しています。この賞は、優れた研究を奨励し、若手研究者の育成を支援することを目的としています。2006年度までは「学会賞」という名称でしたが、その後「奨励賞」に名称が変更されました。
新進研究者Research Notes
2018年からは、修士課程の学生および修士学位取得後2年以内の会員を対象とした論文誌『新進研究者Research Notes』（Japanese Student Research Notes of Philosophy of Science）を日本科学哲学会と共同で発行しています。この論文誌は、若手研究者の研究活動を支援し、新たな研究の芽を育むことを目的としています。ただし、『新進研究者Research Notes』に掲載された論文は、奨励賞の対象とはなりません。
歴代理事長
学会の運営を担ってきた歴代の理事長については、詳細なリストが公開されています。
脚注
学会に関する脚注情報も参照可能です。
関連項目
外部リンク
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