秩父川瀬祭

秩父川瀬祭

秩父川瀬祭は、埼玉県秩父市で毎年7月19日と20日に開催される夏祭りです。2021年には、川瀬と屋台の行事が埼玉県の無形民俗文化財に指定されました。

概要

秩父川瀬祭の起源は平安時代に流行した祇園祭とされ、1659年の文献にはすでに「川瀬祭」の記述が見られます。秩父神社の摂社である日御碕宮の例祭として行われますが、一般的には冬の秩父夜祭に対する夏祭りとして知られています。秩父夜祭ほどの知名度はありませんが、毎年多くの観光客で賑わい、19日の夜には花火大会も開催されます。

祭りの期間中、秩父神社周辺の市街地は交通規制が敷かれ、4台の屋台と4台の笠鉾、計8台の山車が巡行します。この祭りの特徴は「子供が主役」であることで、山車の最前部には小学生の男女が乗り込みます（ただし、上町笠鉾と本町屋台は女子は乗りません）。山車を曳くのは老若男女様々で、方向転換などの際には男性がジャッキやてこ棒を操作します。大通りには多くの模擬店が立ち並び、様々なイベントも開催され、賑わいを見せます。

行事

7月19日（宵宮）

宵宮では、13時頃から山車が市内を巡行し、夜には8台全てが秩父神社に宮入りします。その後、境内の平成殿正面入口に高さ約6mの天王柱を立て、スサノオを迎える「天王柱立神事」が行われます。天王柱立神事が終わる頃には、秩父川瀬祭花火大会が始まり、平成殿の背後に花火が打ち上げられます。深夜には、若者が荒川の水を汲み、町内に撒いて清める「お水取り神事」が行われます。

7月20日

20日は、10時頃から山車が市内を巡行し、14時頃には中村町の広場に集合します。一方、13時頃には神幸行列が秩父神社を出発し、山車の集まった広場の前を通り、15時頃に荒川の武之鼻橋袂の河川敷に到着します。そこで、40人ほどの若者が神輿を担ぎ、荒川の清流の中を威勢良く進み、最後に川の水を神輿にかけて洗う「神輿洗い」の儀式が行われます。その後も山車の巡行は夜まで続き、祭りは終了となります。

近年では、夜の町内巡幸の一環として、東町屋台が町内にある団子坂を上る様子を見ることができます。この団子坂は秩父夜祭のクライマックスの舞台でもあり、夏祭りでも勇壮な山車の曳き上げを見ることができる貴重な機会となっています。

屋台と笠鉾

川瀬祭では、祭りを盛り上げるために屋台や笠鉾が牽引されます。これらの山車は、それぞれに装飾が凝らされており、祭りの華やかさを演出しています。

秩父川瀬祭花火大会

7月19日の20時から約1時間にわたって行われる花火大会は、道の駅ちちぶ付近の空き地が会場となります。宵宮で秩父神社に集まった山車の上空に、色とりどりの花火が打ち上げられ、祭りの夜を彩ります。

その他

祭り期間中、秩父鉄道では急行電車の一部に「秩父川瀬祭」のヘッドマークを付けて運行します。かつては「秩父川瀬祭号」という臨時列車も運行され、多くの鉄道ファンが撮影に訪れていました。

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