秩父鉄道6000系電車

秩父鉄道6000系電車

秩父鉄道6000系電車は、2005年に西武鉄道から譲渡された新101系電車を改造した車両です。主に急行「秩父路」として運用されており、秩父鉄道の観光輸送を支える重要な役割を担っています。

概要

秩父鉄道では、老朽化した3000系（元JR東日本165系）を置き換えるため、西武鉄道から新101系4両編成3本を購入しました。これらの車両は、3両編成に改造され、6000系として生まれ変わりました。

改造工事は、6001編成が西武車両に委託されましたが、運転台の移設作業は東横車輌電設が担当しました。6002・6003編成は西武鉄道の武蔵丘車両検修場で改造が行われました。

2006年3月15日に営業運転を開始し、同年11月26日からは急行「秩父路」の全列車が6000系に統一されました。2007年3月6日からはワンマン運転も開始されています。

2014年10月26日からは、旧300系登場当時の塗装を模したリバイバルカラー車両（6003号編成）が運行を開始し、鉄道ファンを中心に人気を集めています。

2022年10月1日のダイヤ改正で急行運用が削減されましたが、余剰となった編成は各駅停車の一部運用にも充当されています。また、ふかや花園プレミアム・アウトレットへのアクセス輸送にも対応しています。

2023年3月現在、急行「秩父路」の全列車と一部の各駅停車で6000系が運用されています。

改造内容

6000系は、以下の様な改造が施されています。

編成構成の変更: 中間車を先頭車化し、3両編成を組成
急行形化: 前面下部に愛称表示器を新設し、種別・行先表示器を導入
車内設備:
ロングシートからクロスシートへ変更（西武10000系改造発生品）
中央の側扉を撤去し、大型固定窓を新設
ワンマン対応化: デッドマン装置、ドア開閉スイッチ、自動放送装置を新設
バリアフリー化:
非常通報装置の設置
LED式旅客案内表示器の設置
ドアチャイム、半自動ドア開閉ボタン、点字ブロックの設置
車椅子スペース、スロープの設置
その他:
前照灯を角形に変更
ワイパーを電気式に変更
妻引戸（貫通扉）の設置
パンタグラフの交換
車体塗装の変更（クリーム色に青帯）
電気連結器の撤去
* オリジナルデザインの排障器（スカート）の設置

車内

座席は西武10000系の更新時に発生した旧シートを再利用したオールクロスシートです。リクライニングも可能ですが、車幅の関係で回転はできません。客用扉直近の車両中央寄りのシート2列は、集団見合型となっています。通勤型から改造されたため、デッキは装備されていません。

臨時列車

秩父鉄道では、イベントや観光シーズンに合わせて臨時列車を運行することがあります。6000系も、特製ヘッドマークを装着してこれらの列車に充当されることがあります。「蝋梅号」「さくら号」「芝桜号」「秩父川瀬祭り号」「秩父夜祭号」「急行ガリガリ君エクスプレス」など、様々なヘッドマークが登場しています。

6000系は、秩父鉄道の観光輸送に欠かせない車両として、これからも活躍を続けることでしょう。

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