移動性野生動物種の保全に関する条約

移動性野生動物種の保全に関する条約

移動性野生動物種の保全に関する条約、通称「ボン条約」は、1979年にドイツのボンで採択されました。1983年11月1日に施行されたこの条約は、陸上、海洋、空中を移動する野生動物種の保護を目指しています。条約は国連環境計画の支援を受けて締結され、国際的な活動が進められています。

目的と内容

ボン条約の主な目的は、移動性野生動物種の保全です。特に、絶滅の危機に瀕した種を附属書Iに、国際的な関与が求められる種を附属書IIにリストアップしています。これにより、各国間での協力が強化され、保護策が進むことが期待されています。

2022年には、133の国がこの条約に加盟しています。先進国の多くが参加していますが、日本は2023年時点でも未加盟であり、クジラ類や海亀、サメ類が主な保護対象となっているため、この状況が影響していると考えられています。

特に、未加盟国としては東アジアや北米に目立った傾向があり、加盟国でなくても条約の理念に賛同し、保護活動に参加する国もあります。例えば、中国、ロシア、アメリカなどは、実質的に参加に近い状態です。

附属書の内容

附属書I

附属書Iには絶滅の恐れのある野生動物種が含まれています。例えば、各種哺乳類としてインド象、アメリカマナティー、ヒガシゴリラ、チンパンジーなどが挙げられます。また、ここにはゾウ科や海牛目、食肉目の種が多く含まれています。野生生物の多様性を守るため、これらの種の生息地や行動範囲の維持が重要です。

附属書II

附属書IIでは、国際的な協力が求められる移動性野生動物種がリストアップされています。ここには、アフリカゾウ、ジュゴン、チンパンジーなどが名を連ねています。全種のリストは常に更新され、最新の動向や脅威に応じて適切に保護対策が講じられます。

まとめ

ボン条約は、移動性野生動物種の保全に向けた国際的な努力を推進する重要な枠組みであり、多国間で協力し合うことで、これら貴重な種を保護するための努力が続けられています。日本も含め、加盟国は引き続きこの理念のもとで活動を強めていくことが期待されます。持続可能な未来には、野生動物と共存するための取り組みが不可欠です。

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