程徳全

程徳全（てい とくぜん、1860年 - 1930年）は、清朝末期から中華民国初期にかけて活躍した政治家です。字は純如、号は雪楼・本良、法名は寂照と称しました。江蘇省蘇州府呉県の出身です。

清朝での経歴

程徳全は、清朝において貢生となり、1890年に国子監で学びました。その後、黒竜江省を中心に政治的な経歴を重ね、主に事務や文書起草の役割を担いました。1905年には黒竜江将軍代理、1907年には黒竜江巡撫代理を務め、その手腕を発揮しました。1909年には奉天巡撫に任命され、1910年には江蘇巡撫に異動しました。これらの要職を歴任することで、程徳全は清朝官僚としての地位を確立しました。

辛亥革命と中華民国

1911年に辛亥革命が勃発すると、程徳全は周囲の推挙を受けて江蘇都督に就任し、新たな時代の幕開けを迎えました。1912年1月3日に南京臨時政府が成立すると、彼は内務部総長に任命され、政府の中枢を担いました。しかし、同日には中国同盟会を離脱した章炳麟（章太炎）や張謇らと共に中華民国連合会（後の統一党）を結成しました。この行動は、彼の政治的な立場が複雑であったことを示唆しています。

同年4月には、臨時大総統に就任した袁世凱から改めて江蘇都督に任命されました。しかし、5月には統一党が民社と合併して共和党となると、程徳全は章太炎との不和が原因で共和党を離党しました。この出来事は、彼の政治的なスタンスが必ずしも安定していなかったことを示しています。

二次革命と引退

1913年に二次革命（第二革命）が発生すると、程徳全は江蘇省の独立を宣言しました。しかし、実際には上海に赴くなどして、その活動は低調でした。同年9月、二次革命の敗北と共に江蘇都督を辞任し、政界を引退しました。その後、程徳全は上海で仏門に入り、静かな余生を送りました。

晩年

1930年5月29日、程徳全は71歳で生涯を終えました。彼は、清朝末期から中華民国初期という激動の時代を駆け抜け、政治家として重要な役割を果たしました。

参考文献

徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。ISBN 7-101-01320-1。

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