第二革命

第二革命とは

第二革命とは、一般的に革命における第二段階を指し、既存体制を打倒した後の暫定政権に対し、さらなる変革を求める動きを意味します。本稿では、1913年の中華民国で発生した、固有名詞としての「第二革命」について解説します。

蜂起の背景

1912年の辛亥革命によって清朝が倒れ、中華民国臨時政府が成立しました。しかし、革命勢力は清朝の実力者であった袁世凱と妥協し、彼を臨時大総統にすることで革命を終結させました。この妥協は、革命派と袁世凱との間の対立を生み、やがて表面化することになります。

革命派の中心人物であった宋教仁は、議会政治による主導権掌握を目指し、国民党を組織しました。1913年3月の選挙で国民党は勝利を収めましたが、その直後、宋教仁は暗殺されました。この事件は、袁世凱が背後にいるとされ、革命派の反袁感情を一層高めました。孫文は、袁世凱打倒のために武装蜂起を決意し、黄興らもこれに賛同、蜂起計画が策定されました。

蜂起前夜

蜂起に向けて、国民党側は各地で暗殺や破壊活動を行いましたが、大きな成果は得られませんでした。一方、政治面では、李烈鈞、柏文蔚、胡漢民らの都督が袁世凱を弾劾しましたが、袁世凱側はこれに対抗し、国民党勢力への軍事作戦を計画。最終的には、3都督を罷免しました。この過程で、両者の対立は決定的となり、武力衝突は避けられない状況となりました。

軍事蜂起

1913年7月12日、李烈鈞が江西省で蜂起したのを皮切りに、各地で国民党勢力が蜂起しました。李烈鈞は七省討袁聯軍司令となり、黄興は南京で独立を宣言しました。しかし、袁世凱率いる臨時政府軍は各個撃破を進め、革命軍は各地で敗退しました。江西省では南昌が奪回され、黄興は南京から脱出しました。上海では陳其美が江南製造局を攻撃しましたが失敗し、撤退を余儀なくされました。最終的に、孫文、黄興、胡漢民、李烈鈞らは日本へ亡命し、第二革命は鎮圧されました。

この間、北軍（袁世凱軍）と南軍（革命軍）の間でいくつかの事件が発生しました。兗州事件では、北軍が南軍のスパイ容疑で日本人を監禁。漢口事件では、南軍が日本人を拉致し陵辱しました。また、南京事件では、北軍兵士が日本人を殺害し商店を略奪するという事件も起きています。

その後

第二革命を鎮圧した袁世凱は正式に大総統に就任し、北京政府を成立させました。彼は国民党を解散させ、国民党議員の資格を剥奪するなど、独裁体制を強化しました。孫文らは1914年に中華革命党を結成し、反袁世凱闘争を継続しましたが、袁世凱は1915年に自ら皇帝となり中華帝国を樹立しました。この行為は国民の反発を招き、護国戦争（第三革命）を引き起こす要因となりました。

まとめ

第二革命は、辛亥革命後の混乱期に発生した、国民党勢力による袁世凱政権への挑戦でした。しかし、国民党側の組織力や戦略の欠如、袁世凱軍の圧倒的な武力の前に敗北しました。この蜂起は、その後の中国の政治情勢に大きな影響を与え、中国が近代国家へと進む過程で重要な転換点となりました。

参考資料

張玉法「二次革命　国民党与袁世凱的軍事対抗（1912－1914）」『近代史研究所集刊』第15期上、1986
陳源泉「清末民初政党政治探析」『江蘇省社会主義学院学報』4号、2006

関連項目

* 辛亥革命

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