種子島恵時

種子島恵時（たねがしま しげとき）は、戦国時代の武将であり、種子島氏の第13代当主として知られています。

生涯

文亀3年（1503年）、第12代当主・種子島忠時の子としてこの世に生を受けました。恵時が家督を継承した頃、薩摩国では島津勝久と、その養子である島津貴久との間で勢力争いが繰り広げられていました。この内紛において、恵時は島津貴久の陣営に味方し、天文7年（1538年）の加世田城攻めや、翌天文8年（1539年）の市来城攻めなどで目覚ましい武功を上げたとされています。しかし、種子島内では南北朝時代から続く禰寝氏との権力争いが激化しており、恵時は弟である種子島時述との対立を禰寝氏に利用される形で、禰寝清年（または禰寝重長）との戦いに敗れ、一時的に屋久島へ退避せざるを得なくなりました。この争いは天文13年（1543年）に恵時が禰寝氏を攻め、種子島および屋久島から駆逐することで、ひとまずの決着を見ました。

この頃、種子島に鉄砲が伝来したとされています。この出来事を記した『鉄炮記』などの文献には、主に恵時の子である種子島時尭の名前が見られることから、恵時はこの鉄砲伝来の前後に家督を時尭に譲ったと考えられています。恵時は永禄10年（1567年）3月14日に生涯を閉じました。享年65歳でした。

種子島恵時は、戦国時代の激動期において、種子島氏の当主として、内憂外患に立ち向かい、領土を守り抜いた人物として、その名を歴史に刻んでいます。

もう一度検索