種里城

種里城（たねさとじょう）

種里城は、青森県西津軽郡鯵ヶ沢町種里町に位置する山城で、国の史跡「津軽氏城跡」の一部として指定されています。津軽氏発祥の地としてその名を知られ、歴史的に重要な場所です。

概要

城は赤石川の上流、種里集落の西南約500mに位置し、東向きの地形を利用して築かれています。前面を赤石川が流れ、背後には大柳沢山嶺が控える自然の要害です。本丸跡の西南には、大浦光信公の御霊を祀る墓所（光信公御霊墓）があり、御廟館とも呼ばれています。また、近くには殉死した奈良主水貞親の墓も存在します。

2002年には、弘前城跡や堀越城跡と共に「津軽氏城跡」として国の史跡に指定され、その歴史的価値が認められました。周辺地域は津軽白神県立自然公園の飛地として指定されており、豊かな自然環境も保全されています。

歴史

種里城は、1491年（延徳3年）に大浦光信によって築城されました。1502年（文亀2年）に光信は大浦城を築き、子の大浦盛信を配置。光信の死後、大浦城が大浦氏の本拠地となり、種里城は支城として江戸時代初期まで使用されました。その後、種里城は津軽氏の聖地として保存されることとなりましたが、明治時代に入り、遺構の一部が破壊されました。

1988年、跡地に資料館「光信公の館」が建設されるのに伴い、発掘調査が実施されました。1991年から1997年まで、種里城跡の解明を目的とした学術調査が継続して行われ、城の構造や歴史に関する理解が深まりました。

参考文献

中田書矢「種里城 (特集 城郭の研究)」『月刊考古学ジャーナル』第493号、ニュー・サイエンス社、15-18頁、2002年10月。
佐々木浩一「青森県中・近世遺跡の景観―小沢館・境関館・浜通遺跡・十三湊遺跡・種里城」『青森県史研究』第5号、青森県、2000年11月。

関連項目

大浦城
堀越城
* 弘前城

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