堀越城

堀越城（ほりこしじょう）

堀越城は、青森県弘前市堀越地区に位置する平城で、その跡地は国の史跡として指定されています。文禄3年（1594年）に津軽為信が改修し、大浦城から居城を移して以来、慶長16年（1611年）に津軽信枚が弘前城へ拠点を移すまでの17年間、津軽氏の本拠地として重要な役割を果たしました。

概要

堀越城は、本丸を中心に二の丸、三の丸、そして外構の曲輪が周囲を取り囲む構造をしています。この構造は、津軽為信が文禄3年に行った大規模な改修によって形成されたと考えられています。現在、城址は熊野神社となっており、静かな佇まいの中に歴史を感じることができます。

構造

本丸は城の中央やや西側に位置し、五角形をしています。高さ約3mの土塁と幅15〜20mの内堀で囲まれており、防御性の高い構造でした。本丸には東と西に虎口が設けられています。

本丸東門は3棟の建物で構成され、南北32.5mの規模を誇ります。内堀を隔てた三の丸とは木橋で繋がっており、往来が可能でした。一方、本丸西門は幅2.4mと狭く、両側を土塁で固められていました。二の丸とは土橋で繋がっていました。

歴史

堀越城は、1336年（建武3年）に北朝方の曾我太郎貞光によって築城されました。その後、1571年（元亀2年）には大浦為信（津軽為信）がこの城に兵を集め、石川城を急襲するなど、戦国時代の舞台ともなりました。1594年（文禄3年）には、為信が居城を大浦城から堀越城に移し、津軽氏の本拠地としての地位を確立しました。しかし、1611年（慶長16年）に弘前城が完成すると、為信は本拠を弘前城に移し、堀越城は1615年（元和元年）の一国一城令により廃城となりました。

近代以降の取り組み

近代に入り、堀越城は歴史的な価値が見直され、保存・整備が進められています。1975年から1978年にかけては、国道7号弘前バイパス改築事業や前川の災害復旧工事に伴い、三の丸、外構、外堀の発掘調査が行われました。1985年（昭和60年）には、国の史跡「弘前城跡」に堀越城跡が追加指定され、名称が「津軽氏城跡　堀越城跡　弘前城跡」に改称されました。

1989年（平成元年）には保存管理計画が策定され、1998年から2013年にかけては、この計画に基づき史跡整備のための発掘調査が行われました。2002年（平成14年）には、津軽光信が入城した中世の城跡と種里城跡が国の史跡に追加指定され、「津軽氏城跡　種里城跡　堀越城跡　弘前城跡」と改称されました。2012年から2020年にかけては、1594年の大改修後の姿を基本とし、曲輪、土塁、堀などを復元する史跡整備事業が実施されました。復元整備が完了した箇所から順次一般公開され、2020年春に全面公開されました。

遺構

堀越城には、現在も曲輪、水堀、土塁などの遺構が残っています。これらの遺構は、当時の城の構造や防御機能を偲ばせる貴重なものです。

キャラクター

弘前城で行われた天守の曳家工事を契機として、2016年（平成28年）には弘前市が地域おこしキャラクターのロボット「超城合体タメノブーンV」を制作しました。タメノブーンVを構成する5機の城ロボのうち、堀越城は「ホーリー」として活躍しています。

まとめ

堀越城は、津軽地方の歴史を語る上で欠かせない史跡です。その構造や歴史、そして近代以降の保存・整備の取り組みを通じて、多くの人々にその価値を伝えています。機会があれば、ぜひ堀越城を訪れ、その歴史と文化に触れてみてください。

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