稲嶺進

稲嶺進について

稲嶺進（いなみね すすむ）は、1945年7月17日生まれの日本の政治家で、沖縄県名護市長を2期務めた人物です。彼は、沖縄県国頭郡久志村（現在の名護市字三原）で生まれ、久志村立三原小学校および琉球政府立宜野座高等学校を卒業後、琉球大学法文学部を1971年に卒業しました。名護市役所に就職し、厚生課等でキャリアを積んだ後、2005年には名護市の教育長に就任しました。

政治活動の始まり

稲嶺は2010年に名護市長選挙に出馬し、普天間飛行場の県内移設への強い反対を掲げて初当選しました。市長就任後の会見では「私は辺野古の海に基地を造らせない」と力強い言葉を残しました。彼は普天間飛行場の移設問題において名護市初の移設反対派の市長として知られるようになりました。

2014年に行われた市長選挙でも再選を果たし、再び「辺野古への移設反対」を公約に掲げました。稲嶺はオバマ大統領の安倍政権に対抗する形で、沖縄の声を政治の場に届け続けました。しかし、彼が直面したのは、国家政策として進行していた普天間飛行場の移設計画でした。

名護市長選挙の詳細

2010年名護市長選挙

2009年の政権交代で誕生した鳩山由紀夫内閣は、普天間飛行場の移設先を県外もしくは国外とする立場を取っていましたが、具体的な移設先が決定できずに名護市長選挙に突入しました。この中で、稲嶺は民主党を含む与党の推薦を受け、現職の島袋吉和を破って当選しました。

2014年名護市長選挙

次の選挙では、沖縄県知事が辺野古への移設を推進する姿勢を打ち出しましたが、稲嶺は再び立ち上がり、反対の立場を貫いて再選を果たしました。この選挙での彼の支持基盤は明確であり、彼を支持する政党との連携が強まりました。

2018年名護市長選挙

しかし、2018年の選挙では厳しい選挙戦を強いられ、反基地政策を掲げる稲嶺が新人候補の渡具知武豊に敗北し、名護市長の座を失しました。この選挙は、全国的な注目を集めながら行われ、稲嶺が掲げていた辺野古移設反対の姿勢は高く評価されていましたが、結果的には敗北という形となりました。

政策と理念

稲嶺は市長在任中、常に子どもたちを重視した政策づくりを進めました。「海にも陸にも新しい基地は造らせない」という明確な公約を持ち、名護市の発展と穏やかな地域づくりを目指しました。また、観光資源の一環としてネオパークオキナワにパンダの誘致を提案し、その経済効果にも期待を寄せていましたが、一方で地域の実情に伴う懸念も表明されました。

人物

彼は市長就任以前から地域で交通安全指導を行い、地域社会との信頼関係を築いてきました。また、日課としてジョギングを行い、マラソンにも参加するなど、健康管理にも気を配る一面を持っています。

2019年には憲法9条の改正反対を訴える全国首長九条の会の共同代表にも選出されており、彼の政治活動は現在も多岐にわたっています。

著作

稲嶺進は「これが民主主義か? 辺野古新基地に“NO”の理由」などの著作もあり、普天間飛行場移設に関する議論において自らの見解を深く掘り下げています。彼の活動は、沖縄のみならず、全国的な政治議論における重要な一部分を成しています。

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