住吉会

住吉会について

住吉会（すみよしかい）は、東京都新宿区に本部を構える暴力団であり、主に東日本に勢力を持つ博徒や的屋の連合体です。その歴史は幕末から明治初期にさかのぼり、伊東松五郎が創始した「住吉一家」を前身にしています。住吉会は約2,200人の構成員を抱え、準構成員を含めるとその規模は約3,500人に達します。現在も公安委員会から主要団体と位置づけられています。

来歴

初期の発展

住吉会は、伊東松五郎が東京日本橋住吉町出身であることから「住吉一家」という名が付けられました。1918年には横浜の沖仲仕だった倉持直吉が東京都内を拠点に「住吉一家二代目」を結成し、その後も組織名を変更しながら成長していきます。最終的に1991年には「住吉会」と名を改変し、現在に至るまで内部での結束を強めています。

港会の設立

1958年、阿部重作が関東の多くの暴力団を束ねる形で「港会」を設立し、その後港会は住吉会に改称されました。この時期、住吉会は広域暴力団の一員として警察の監視下に置かれるようになりました。1964年には関東会に参加し、警察の取締りが徐々に強化されていく中、1965年に関東会が解散したことから住吉会も解散する運命をたどります。

住吉連合への再編

その後、堀政夫が住吉一家五代目を引き継ぎ、1967年に「住吉連合」を創設しました。1982年には「住吉連合会」と名称を変更し、さらなる組織強化を図ります。この期間、池袋抗争や道仁会との抗争などの問題も抱えますが、なんとか危機を乗り越え、再び影響力を増していきました。

1991年以降の展開

1991年に再度「住吉会」としてスタートし、暴力団対策法の施行後、指定第1号となりました。2002年からは西口茂男が総裁に就任し、リーダーシップを発揮。2012年にはアメリカ政府からも国際的な犯罪組織として位置づけられ、資産凍結や取引禁止の制裁を受けています。

組織の変遷

住吉会は、組織内部の構成が頻繁に変わり、会長や幹部の交代が続いています。特に2014年からの名称変更や再編成が進み、機能的な組織体制を整えつつあります。2021年には会長が小川修司に交代し、2022年には再び内部の指導者が死亡するなど、組織運営には常に人事の課題が付きまといます。

現在の住吉会

近年も暴力団対策が厳しくなる中、住吉会は東京都港区から新宿区へと事務所を移転しています。これは近隣住民の抗議運動や裁判所の仮処分申請によるもので、適応を求められる状況下での再構築が迫られています。このような背景からも、組織の存続と運営は厳しい挑戦に直面しています。

今後の方向性

住吉会は、その規模と影響力を保つために、内部の結束を強めるとともに、外部環境への適応が求められています。国際的な視野を持った活動を進め、組織の存続のための戦略を模索し続けているといえるでしょう。

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