稲沢拡幅

稲沢拡幅は、栃木県大田原市寒井から那須郡那須町稲沢にかけての国道294号における、道路改良事業です。この事業は、旧国道294号の抱える問題を解消し、安全で円滑な交通を確保することを目的としています。

拡幅前の旧国道294号（延長6.2km）は、屈曲が多く道幅が6.0mと狭隘な上に歩道がありませんでした。また、那珂川や余笹川に架かる橋梁の老朽化も著しく、交通安全上の大きな課題となっていました。

これらの問題を解決するために、稲沢拡幅事業では以下の施策が実施されました。

十分な幅員の確保
自転車歩行者道の設置
那珂川に那須黒羽大橋を新設
余笹川に稲沢睦橋を新設

これらの改良により、安全で円滑な交通が実現し、災害時の緊急輸送路としての機能も強化されました。

起点：栃木県大田原市寒井
終点：栃木県那須郡那須町稲沢
総距離：5.2km
幅員：14.0m (車道3.25m×2、歩道3.0m×2、路肩0.75ｍ×2)
車線数：2車線
総事業費：約51億円

1990年（平成2年）度：事業化
1991年（平成3年）度：用地着手
1992年（平成4年）度：工事着手
1999年（平成11年）4月：那須町側3.0km供用開始
2007年（平成19年）3月18日：全線供用開始

橋梁
那須黒羽大橋（那珂川、大田原市 - 那須町）：延長182.5m
稲沢睦橋（余笹川、那須町）：延長130.7m
トンネル
稲沢トンネル：延長96.0m

稲沢拡幅の完成により、交通の安全性と円滑性が向上しただけでなく、地域経済にも良い影響を与えています。特に、道の駅東山道伊王野へのアクセスが改善されたことで来客数が大幅に増加し、観光客の増加と地域の活性化に貢献しています。

栃木県道34号黒磯黒羽線
栃木県道60号黒磯棚倉線

栃木県県土整備部道路整備課　一般国道294号那須町稲沢拡幅整備事業
国土交通省平成16年度再評価事業　稲沢拡幅