稲葉正守

稲葉正守

稲葉正守（いなば まさもり）は、江戸時代後期に山城淀藩の第10代藩主を務めた人物です。正成系稲葉家宗家の14代目にあたります。官位は従五位下から従四位下まで昇進し、丹後守、佐渡守、内匠頭といった官職を歴任しました。幼名は鉄弥、通称は大学でした。

生涯

第7代藩主・稲葉正諶の七男として生まれました。文政6年（1823年）6月25日、甥にあたる先代藩主・稲葉正発が嗣子なくして急逝したため、その跡を継ぎました。同年9月1日には、将軍・徳川家斉に拝謁しています。

文政7年12月16日（1825年）には、従五位下・丹後守に叙任されました。その後、内匠頭、佐渡守へと官職を改めます。天保4年（1833年）2月18日には、幕府の要職である奏者番に就任しました。

天保9年（1838年）6月1日には、寺社奉行に就任し、幕政にも参与しました。天保11年12月16日（1841年）には、従四位下に昇進しています。天保13年（1842年）4月24日、寺社奉行を退任し、同年7月20日に隠居し、養子の正誼に家督を譲りました。

明治維新後の明治2年（1869年）2月、東京から淀に居所を移し、明治11年7月29日に病死しました。

稲葉正守の治世

稲葉正守は藩主として、領民の生活安定と藩財政の再建に尽力しました。殖産興業を奨励し、治水事業や新田開発を積極的に進めました。また、学問を奨励し、藩士の教育にも力を注ぎました。文化人との交流も深く、藩内に新たな文化を築き上げました。

系譜

実父: 稲葉正諶
養父: 稲葉正発
正室: 藤堂高兌の娘
子女:
戸田氏彬正室
養子: 稲葉正誼 - 榊原政令の七男

人物・逸話

稲葉正守は、温厚篤実な人柄で知られていました。領民からは慕われ、家臣からの信頼も厚かったと伝えられています。また、文化人としても知られ、書画や茶道、和歌にも造詣が深かったとされています。

まとめ

稲葉正守は、江戸時代後期の淀藩主として、藩政の発展に大きく貢献しました。文化・政治に尽力した名君として、その名は後世にまで語り継がれています。

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