稲葉正諶

稲葉正諶（いなば まさのぶ）

生涯

稲葉正諶は、江戸時代中期から後期にかけての大名で、山城国淀藩の7代藩主です。通称は幸之助、図書、兵部と称しました。正成系稲葉家宗家の11代目にあたります。父は5代藩主の稲葉正益、母は松平容貞の娘の員姫です。正室は松平宗衍の娘である五百を迎えました。

安永2年（1773年）11月6日、兄で先代藩主の稲葉正弘が後継者を残さずに亡くなったため、その養子となって家督を継ぎました。翌年の安永3年（1774年）には、10代将軍徳川家治に謁見しました。同年には、淀城の大破と凶作が重なったため、幕府から5000両の借用をしています。同年12月には、従五位下・丹後守に叙任されました。

天明元年（1781年）には奏者番に就任し、天明7年（1787年）には寺社奉行を兼任することとなりました。しかし、天明8年（1788年）には寺社奉行を解任されています。寛政4年（1793年）には従四位下に昇進し、享和2年（1801年）には大坂城代に就任しました。さらに、文化元年（1804年）には京都所司代に就任し、侍従にも任官しています。また、寛政の改革にも参与し、幕政にも関与しました。

文化3年（1806年）8月24日、58歳で亡くなり、跡は次男の稲葉正備が継ぎました。

系譜

実父: 稲葉正益
養父: 稲葉正弘
養母: 員姫（松平容貞の娘）
正室: 五百（松平宗衍の娘）
子女:
稲葉正備（次男） - 生母は正室
稲葉正選（三男）
稲葉正守（七男）
広幡前秀室
内藤頼以正室、のち稲葉正芳正室
* 大岡忠固正室

稲葉正諶は、激動の時代を生き抜き、淀藩の藩主として、また幕府の要職を歴任した人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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