稲葉的海

稲葉的海洋騎手：輝かしい騎手人生と引退後

稲葉的海洋騎手は、北海道旭川市出身の元騎手であり、調教助手でもあります。1953年12月27日生まれの彼は、中学時代から騎手を目指し、宝塚市立宝塚第一中学校在学中には栗東・日迫清厩舎の門下生として、学業と仕事の両立に励みました。卒業後には馬事公苑で長期講習を受け、安田隆行氏や伊藤稔氏らと共に研鑽を積みました。

1974年3月、日迫厩舎からデビュー。同期には、伊藤稔氏をはじめ、多くの著名な騎手が名を連ねていました。デビュー戦は中京競馬場で行われ、初勝利は同日の第5競走で飾りました。デビューイヤーから10勝を挙げ、その後も3年連続で2桁勝利を記録するなど、順風満帆なスタートを切りました。特に1975年には自己最多となる23勝を挙げ、その実力を証明しました。1977年と1978年には障害競走にも挑戦しましたが、勝利には至らず、1979年からは平地競走に専念することにしました。

1979年には吉田三郎厩舎に移籍。同年末には、シンザン産駒のグレートタイタンに騎乗し、京都記念（秋）でレコード勝ちを収め、自身とグレートタイタンの重賞初制覇を達成しました。この勝利は、稲葉騎手にとって大きな転機となりました。翌1980年には13勝を挙げ、1981年にはフリーとなり、2年連続で12勝をマークしました。

1982年以降は年間勝利数が1桁台に落ち込みましたが、1984年にはダイゴトツゲキに騎乗し、阪神3歳ステークスを制覇しました。この年は8勝を挙げ、そのうち3勝がダイゴトツゲキによるものだったという事実が、彼とダイゴトツゲキの強い絆を示しています。1985年には桜花賞でタカラスチールに代打騎乗という大役を任されました。しかし、スタートでゲートに脚をぶつけた影響もあり、15着と惨敗しました。同年のきさらぎ賞ではダイゴトツゲキで3着、スプリングステークスでは4着と健闘しましたが、皐月賞では18着に終わりました。

1985年には吉田厩舎に復帰し、1987年には荻野光男厩舎に移籍。1987年12月6日、中京競馬場で行われた4歳以上400万下競走で最後の勝利を挙げました。そして、1988年3月5日、中京競馬場で行われた瀬戸特別を最後に引退しました。

引退後は松元省一厩舎で調教助手として活躍。2007年には、ノボリハウツーの落馬事故の際に、競馬場へ向かう途中偶然現場に遭遇し、脱走した馬を捕獲するというエピソードも残しています。

稲葉的海洋騎手は、数々の名馬に騎乗し、多くの勝利を収めた実力派騎手でした。彼の騎手人生は、多くのファンに感動と興奮を与え続けました。引退後も競馬界に貢献し続けている彼の存在は、後進の騎手たちにとって大きな励みとなっていることでしょう。彼の功績は、競馬史に長く刻まれることでしょう。

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