空大経
空大経（Mahāsuññata-sutta）
『空大経』は、パーリ経典の中部に収められている第122経で、別名『大空経』や『大空性経』とも呼ばれています。この経典は、釈迦が弟子のアーナンダに向けて修行者としての心構えについて深い教えを説いたものです。類似の経典としては、『中阿含経』の中に収められた「大空経」があります。
登場人物
場面設定
この教えは、釈迦がカピラヴァットゥのニグローダ園に滞在していた際に行われました。静かな自然の中で、釈迦はアーナンダに対して修行のあり方を伝えました。
教えの内容
釈迦は、修行者が独りで過ごすことの重要性を強調し、社交に振り回されている修行者は真の解脱を得ることができないと警告します。特に、色彩や感覚的な快楽を追い求めることが、結局のところ悲しみや苦しみを招くことに繋がると説明しました。仏教において重視される「空」の概念は、物事が無常であること、そして認識が空に達することが肝要であるという教えでもあります。これによって、内外の変化に心を振り回されることなく、安定した心を保つことができるとされます。
心を治めるための具体的な方法として、釈迦は「四禅」や「五欲・五蘊の監視」を挙げ、心を内に落ち着かせる方法を示しました。さらに、優れた師に持つべき「九つの条件」を説くことで、正しい修行の道を歩むための指針も提供しています。
アーナンダはこれらの教えを受けて非常に喜び、釈迦の教えの深さに感銘を受けました。教えの本質は、内面的な変化や欲望を克服し、真の安らぎと知恵に至る道を示していることです。
日本語訳
この経典の日本語訳は、複数の版が存在していますが、以下のような著作に収められています。
関連項目
この教えを通じて、釈迦は私たちに深い思索を促し、日常における心のあり方について新しい視点を提供しています。
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